「池のや」にはメニューはないことはないが基本的にお任せの店だ。料理もお酒も。
友人が数日前に店に予約を入れてくれていたのでもう準備は出来ていた。席はいつもの奥の二人席だ。
都営地下鉄大江戸線の「勝どき」駅を上がったところの交差点
反対側の公園では子供たちと付き添いの親たちで大賑わいだった。
佃島や月島は江戸時代は漁師の町だったが 明治以降 IHIなど造船や重工業工場地帯の時代を経て いまや大変貌をとげてタワーマンションが林立する住宅地空間になった。
限界集落が日本各地で増えていく一方 東京では九州東北関西など日本各地からこうして沢山の日本人が人口密度の高いところに集まっている。
都内に住めば 確かに生活には便利だが 都内と言う 自然と離れた環境で生きる人間はなかなか大変だ。
一人は常温、一人はぬる燗で秋田の純米吟醸の辛口を二人でなんやかんや喋りながら ゆっくり食べて飲んで 楽しんだ。
山田太一さんの言葉ではないが
「時折、夕食をとりながらのんだり、しゃべったりする友人がいる。しかし結局話の大半は忘れてしまう。
会っているときのおおざっぱな残像以上になにを知っているかと考えると、呆れるほど心もとない。
ただもう残像のよさでまた会うようなものだ。」
同じ製造会社に勤務していたが 扱い製品が違ったので事業部が別で 仕事を一緒にした事はないが、かって大阪や広島で麻雀を楽しみ
時々飲むようになった森山さんが 近くの「勝どき」にいてくれて 気軽にときどき会えて飲めるのは 後期高齢者の歳で、神戸から引っ越してきて
数か月後に80歳になる人間にはありがたいことだ。
帰りは地下鉄大江戸線を使わず 店を出てすぐの都営バスのバス停でJR亀戸駅行のバスに乗った。
少し時間はかかるが 両国で地下鉄から総武線の乗り換えに結構歩くことを考えると 以前 森山さんが教えてくれたこのルートの方が楽だ。