阿智胡地亭のShot日乗

日乗は日記。日々の生活と世間の事象記録や写真や書き物などなんでも。
1942年生まれが江戸川区から。

元神戸商船大学の練習船「深江丸」に乗りました         16年前の今日 2006年12月20日の本ブログに掲載

2022年12月20日 | 「過去の非日乗&Shot日乗」リターンズ

いまどきの小学生、中学生もここで2泊か3泊すればコロッと変わります、間違いなく。」髭の船長がそう言ってニヤリと笑った。

神戸大学海事科学部(元神戸商船大学)の練習船“深江丸”(クリック)の見学をさせてもらった時のことです。

本来この船は本学の学生が船長、機関長などオフィサーになるための実地練習用のものだが、学外の一般人や学生、企業人にも開放して、短期間の海上航海を経験させているとのことでした。

船長が続けた。「岸壁を離れたらもうこっちのもんですから。船と言う世界の上意下達の規律をしっかり教えます。

最初に目上の人に挨拶をしないのは何事だ!と怒鳴り上げるとまず彼らは度肝を抜かれる。船内歩行、食事、相部屋での就寝など全てについての規律を教えます。

そして声を出して人とコミュニュケーションを取ることの大切さを教えます。海上ではいつ何が起こるかわからない。

エマージェンシーに対応し生き残るためには全員で上下関係を保ちつつ協同するしかない。そのベースは大声をだして連絡を取り合う事で、それが出来ないと全員OUTになります。」

「そんな我々にとってはごくごく当たり前のことをしっかり教えて一日たつと、もう翌日の朝から全員が完全に変わります」

生徒に日頃目線を合わせている(軟弱な)小中学校の教師方にも感謝され、今や口コミなどで広がり、各学校から申し込みが殺到しているのだそうです。

そして民間会社の新入社員教育にも企業から大いに評価されているとか。

ほぼ500トンと言う狭い空間の中での、“いざの時”を想定した渾身のある意味スパルタ教育は、小学生達にもそれまで親や教師から受けた事がない経験のようだ。

そして逆にそれは小中学生にとっても嬉しい体験になっていると感じました。

髭の船長と機関室など案内してくれた男前の機関長はHPに顔写真が出ているので要チエック!

そして上記のお二人以外にも、お会いした先生方や学生の皆さん、はたまた博物館の案内ボランテイアの皆さんのような“漢たち”がこのキャンパスにはいて、

その方々にお会いできたのが一番嬉しいことでした。

縄梯子をたらして錨の上に乗り移り、船体に補修用ペンキを塗っていました。

☆深江丸には練習船であればこそと言うか、あるいは練習船にも拘らずと言うか通常の船には無い装備が数多くなされています。詳しくは深江丸のHP(クリック)をご覧下さい。

説明を聞いて印象に残ったのは、

☆発電機を各種合わせて5セットだったか装備していて、災害時に被害地のどこに接岸係留しても、船がすぐさま一つの発電所として機能し電力を供給できる。

☆同じく自然災害時の透析患者へのサポートを、阪神淡路大震災の事例を各機関が教訓にした結果、病院、行政、医薬メーカー、医療機器メーカーなどが連携して

「いざの時」は深江丸を透析患者のための病院船として使用すべく、既に実地に各種のテストをしていること。などでした。

☆操舵輪、今はメカ的な操舵ではなく、このワッカで電気信号をコントロールしている。

☆操船盤、ちょうど学生が実物で講義を受けていました。

全ての情報は船内LANで繋がっており、この船は4名の定員で動かせるようになっている。ただ教育要員も乗っているので通常は8名が乗組員として乗っている。

☆操船シュミレーター、空のパイロットが操縦をシュミレーターも使い覚えるように、海のパイロットの操縦の練習用に本学には操船シュミレーターがある。

実際に動かしてもらったが、大型コンテナー船が明石大橋を漁船に注意しながら高速でくぐりぬける様を実感した。この設備は船内ではなく陸上の建物の中に置かれています。


☆神戸商船大学で開発された高性能な錨。世界で一番把捉力があると言われている。

英国海軍が開発したと錨にほぼ匹敵する能力がある。

☆Moレベル(無人)の機関室

☆レーダー、画像処理技術の革新で今まで知っていたレーダー機能とは全く違うものでした。

大学の助教授にして船長さんという方には今回初めてお会いしましたが、朗々とした気持ちのいい声でわかりやすく船内を案内していただきました。

矢野船長、そして本学の講師でもある有田機関長、どうも有り難うございました。

同時に見学した「海事博物館」の記事はこちらです。

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2022年12月20日追加掲載

最終航海「ありがとう深江丸」/ Thank you, Fukaemaru! Kobe University training ship’s farewell.

 


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