先日、今日えっちゃんと食事をしてきたと次女が話した。えっちゃんは中学からの次女の親友だ。
そして、えっちゃんがイタリアに出発する日が5月15日に決まったという。
彼女は大学を出て、暫らく三ノ宮のイタリアレストランで働いていた。
ヴィッセル神戸の三浦カズ夫婦がよく来店し彼女も時々話をしていたそうだ。
その店にいる間に調理師の免許を取ったあと、今や神戸でもケーキ店の最大激戦地になった阪急御影駅周辺にあるケーキ専門店に移ってケーキ職人の修行を始めた。
朝早くから夜遅くまでひたすらケーキ作りに励んでいた。でもその店は従業員の長時間労働が度を越していたので暫らく働いてやめた。
店はその後、労働基準局の立入り検査があったほど深夜労働がひどかったらしい。そしてこのところ、ズカガールだった女性がやっている北野町のレストランで働いていた。
その女性オーナーに気に入られて、新たに出す支店の責任者になって欲しいと言われたが、彼女には夢があった。必ず自分はパテシィエになるという夢だった。
今、日本ではケーキ職人になりたいと思って修行している女性が相当な数になるらしいが、彼女は一度はケーキの本場のヨーロッパのどこかでケーキ修業をしたいと思っていた。
あるときよく店に来るイタリア人にそんな話をしたところ、「憧れだけなら誰でも出来る、イタリアにはローマ帝国時代からのケーキの伝統があるから、イタリアに行ったら」と言われた。
そして「本気でやるならイタリア語が使えなくては修行にならないよ」とも。
彼から京都に日本イタリア京都会館というのがあるのを教えてもらいすぐに訪ねていった。そしてイタリア各地の語学学校の情報を仕入れ、イタリア語の勉強もスタートした。
父親の説得が一番の難関と言っていたらしいが、それも何とかOKを取って、いままで働いて貯めた金を全額使ってシエナの語学学校へ行く事に決めたとのことだった。
「私、関空で乗る飛行機間違えへんかなあ」「シエナに行くのにローマで乗り換えやけどできるやろか」
食事を一緒にしながらそんな事を言っていたというので、そんな状態でイタリアへ行って大丈夫かなあと聞いたこちらが心配になった。
(シエナの風景は2006年夏イタリア旅行の時に撮影した画像)
そして昨日次女の携帯にシエナのインターネットカフェから彼女のホットメールが入ったそうだ。
「シエナの空港で車がなかなか拾えず苦労したけど、無事学校の寮に到着したこと。
イタリア人はいい加減なところがあるから心配やったけど、ちゃんとした学校やったこと。
学生はスイスから来ている人が多いこと。まだコミュニケーションが取れないけど皆と一緒に食事したり買い物にも行きだしたこと。
先生に一人日本人、学生にも何人か日本人がいること」などなど。
「あの子、学生時代親からバイト禁止されていたくらいなのに、働きだしたら自分で自分のやる事決めて全部実現していく」と次女が言った。
私は「イタリア人はいい加減なところがあるから心配やったけど・・」という彼女のセリフを聞いて内心感嘆した。
行く国のことはちゃんとわかって行っている、このオジサンが心配することは何もないと。
それでも彼女のお父さんは毎日心配で堪らないだろうな、よく出されたなとも。
今の日本の男は甘やかされて自己中ばかり、出来る事は国内で威張る事だけ、他国でも通用するのは女の方が多いという持論がまたまた強化されそうだ。
2004.05.20 記
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