![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/22/e7/1f0251510daa7875230696dd5c00cc3c.jpg)
(アフガニスタン 04年の選挙の際、選挙登録する女性 タリバン支配となれば、こういう光景もなくなります。 “flickr”より By Advocacy Project
http://www.flickr.com/photos/advocacy_project/517836868/)
【オバマブーム、タリバンも】
オバマ次期大統領の就任式を控え、アマリカ国内はもちろん日本の国民・メディアも大きな関心をこれに寄せています。
なんだかんだ言っても、腐ってもアメリカ・・・というところでしょうか。
戯言はともかく、アメリカ内外でのオバマブームには、人々の“変革”への期待という理由があります。
こうした政治への期待を感じさせるというのは素直にうらやましく思いますし、日本の政治に目をやるとため息が出るところです。
オバマ次期大統領に期待するのはアフガニスタンのタリバン関係者も同じのようです。
タリバンの精神的支柱とされるイスラム教スンニ派デオバンド学派の指導者の発言として
「タリバンの戦いは自由のための戦いだ。だが、米国もタリバンも互いに武力だけでは永久に解決しないことを知っている」
「米国がもっと早くアフガンの現実に向き合っていれば、ここまで治安状況は悪化しなかった。米国はタリバンの役割を認めて真摯(しんし)に対話を求め、両者が話し合いを開始する時だ」
「父親がイスラム教徒でイスラムの名を持つオバマ氏なら(タリバンとの対話を始めるという)英断ができるはず」
といった言葉が伝えられています。【1月20日 毎日】
駐留米軍の増派とタリバンとの対話という硬軟両にらみのアフガン戦略を目指すオバマ次期大統領のアフガン戦略が、なかなか難しいことは先日も触れたところですが、タリバン側に話し合いの余地があるならなんらかの出口もみつかるかもしれません。
【女子校閉鎖】
そのタリバン、イスラム原理主義勢力が影響力を強めるパキスタン北西辺境州からは、彼等の女子教育否定の考えのために、多くの女子校が閉鎖に追い込まれていることが報じられています。
****パキスタンの女子校400校閉鎖危機 タリバーン脅迫で*****
パキスタン北西辺境州のサワット地域で、女性への教育に反対しているイスラム原理主義勢力タリバーンによる脅迫で、女子校が閉鎖の危機に直面している。私立の女子校400校はすでに、冬休みが終わる2月以降も学校を再開しない方針を決めた。
地元紙ニューズなどによると、タリバーン系組織「パキスタン・タリバーン運動」のサワット地域幹部が昨年12月末、「女子の教育は反イスラムであり許さない」と女子校教育をやめるよう要求。一帯では07年以降、すでに女子校約120、男子校50校が放火され、4万人以上が通学できなくなっている。
私立女子校400校(生徒数約4万人)でつくる団体も15日、冬休み明けの2月以降も学校を再開しない方針を発表した。
パキスタン政府のレーマン情報相は18日、「女子生徒の安全を確保し(冬休み明けの)3月1日から学校が再開できるよう努力する」と述べた。だが、住民の間には「タリバーンの脅迫に逆らえば、身に危険が及ぶ」との恐れが強く、保護者が通学させないだろうとの見方が強まっている。
パキスタンでは近年、米軍などのアフガニスタンでの掃討作戦を逃れたタリバーンが入り込み、国境に近い部族地域を中心に影響力を強めつつある。都市部でも、「反イスラム」と見なすビデオ店やCD店への脅迫が相次いでいる。【1月19日 朝日】
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アフガニスタンでは、登校中女子学生がタリバン関係者によって顔に硫酸をかけられ火傷する事件もおきています。
2008年だけで、11月時点で115校が放火や爆弾・ブルドーザーなどによる攻撃を受け、教師や生徒など約120人が死亡していると言われています。
(11月27日ブログ「女性に対する暴力撤廃のための国際デー」
http://blog.goo.ne.jp/azianokaze/d/20081127)
【女性蔑視のタリバンとどう向き合うのか】
私は特別フェミニストでもないつもりですが、いつも言うように、こうしたタリバンの女性に対する考え方、仕打ちにはどうしても馴染めません。
また、こうしたことを座視することも難しく感じます。
冒頭のデオバンド学派の偉い方なども同じような考えなのでしょうか?
それとも、イスラムというよりは、パシュトゥン人の部族社会の規範なのでしょうか?
いずれにしても、仮に今後タリバンとの和解が進むことがあるにしても、その女性への対応については再考を促すことができないものでしょうか。