(無神論キャンペーン広告を付けたバス “flickr”より By ejbaurdo
http://www.flickr.com/photos/ejbaurdo/3210251748/)
ロンドンを走るバスが話題になっています。
****神は多分いない…英国で走る「無神論バス」*****
神は多分いない。くよくよするのはやめて人生を楽しもう――。こんな広告を付けた路線バスが英国各地で走っている。無神論者のグループが市民から寄金を募って始めた。
発端は同じようにバスを使ったキリスト教団体の広告。劇作家アリアン・シェリンさんがその広告主のサイトを見たら「キリスト教徒でなければ永遠に地獄で苦しむ」。
カチンと来て反撃広告のアイデアを新聞のコラムに書いたところ無神論者のグループなどが同調。1人5ポンド(約670円)の募金活動で、予想を超える約14万ポンド(約1900万円)が集まった。「無神論バス」は計800台。6日から4週間の予定で運行を続けている。
「多分」とあるのは、断定すると広告規制に引っかかる恐れがあるため。ビール会社が「多分世界一うまい」とやってクリアしたのにならった。神に限らず何かが存在しないことを証明するのは基本的に無理という事情もある。
それでも宗教団体は「消費者を欺く広告」と批判。信心深い運転手の乗車拒否も起き、神の有無がバスの運行に影響し始めている。【1月24日 朝日】
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There’s probably no God.
Now stop worrying and enjoy your life.
この件については昨年10月末に、こうしたキャンペーン広告が登場するかも・・・という記事がありました。
その記事によると、“一部のロンドンバスの横腹に掲載されている「神を拒む者は地獄で永遠に苦しむことになる」とのキリスト教の一連の警告メッセージに対抗するもの。”と紹介されています。
英国国教会の広報担当者は、「いかなる宗教団体、思想団体も、適切な手段を用いた言論の権利は擁護されるべき」と前置きした上で、「キリスト教は、人々を不安がらせたりするものではなく、人生を楽しんではならないとも言っていない。むしろその逆で、私たちを解放し、この世を正しく見させてくれるものだ」と反論しているそうです。【1月30日 AFP】
私はアジアの国々を旅行している最中は仏教のお寺だけでなく、ヒンズー寺院やイスラムモスクにも頻繁に足を運びます。
もちろん物見遊山ですが、そうしたお寺などでは素直に仏様や八百万の神々に手を合わせます。
ただ、普段の国内の生活では、お寺に行くのは葬式のときだけ、神社に行くのは正月だけといった、宗教とは全く縁のない生活をしています。
こうした海外の話題を扱うブログを書いていると、目にする記事の大半は戦争や貧困、迫害や差別・・・そういった人間性の暗い部分を示すものです。
神がいるのかどうか・・・といった神学論争はまったくわかりませんが、不信心者の立場からすると、極めて常識的・通俗的な意味で、“この世には神はいないのか・・・”という感じを持ちます。
“もし神がいるとしたら、こうした現実に救いの手を差し伸べない神というのは、私たちが思い描くような神ではないのかも・・・”とも恨みがましく思ったりもします。
少なくとも、「キリスト教徒でなければ永遠に地獄で苦しむ」とか「神を拒む者は地獄で永遠に苦しむことになる」といった、人々を脅迫して信仰を強いるやり方には違和感をおぼえます。
もっとも、“神なんていないから、人生を楽しもう”という気分にもなりません。
“救いの手を差し伸べてくれる神がいてほしいのに・・・”というところです。
ある牧師さんのサイトでもこのキャンペーン広告をとりあげていました。
“本当は「神さまはいる。くよくよするのはやめて、人生を楽しもう。」なんだと思います。”(牧師さんのちょっといい話 http://nobu.bokushi.jp/2008/10/311658.php)
とありました。
英国国教会の広報担当者の言うところでもありますが、「神さまはいる。くよくよするのはやめて、人生を楽しもう。」と思えれば、人生随分楽になるようにも思います。