孤帆の遠影碧空に尽き

年に3回ほどアジアの国を中心に旅行、それが時間の流れに刻む印となっています。そんな私の思うこといろいろ。

パレスチナ  イスラエルの学校砲撃で犠牲者多数  映画「イーグル・アイ」の“誤爆”シーン

2009-01-07 16:22:27 | 国際情勢

(12月29日、北部ガザ地区の難民キャンプへのイスラエル爆撃によって、4歳の娘と4人の姉妹を亡くした女性が、葬儀を待ちます。
“flickr”より By Amir Farshad Ebrahimi
http://www.flickr.com/photos/farshadebrahimi/3158999711/)

【ハマスのメンバー2人】
イスラエルのガザ侵攻に関して、多くの市民が避難していた国連運営学校への砲撃による大きな被害が国際的非難を呼んでいます。

****イスラエル軍「迫撃砲への反撃」と説明 国連学校攻撃で*****
パレスチナ自治区ガザを攻撃しているイスラエル軍は6日夜(日本時間7日未明)、ガザ北部の国連運営学校を砲撃して多数のパレスチナ人が死亡したことについて、「イスラエル軍を狙った迫撃砲が同校から発射されたことに対する反撃だった」と説明した。
イスラエル軍は、5日夜から6日にかけて国連パレスチナ難民救済事業機関(UNRWA)が運営するガザ北部のジャバリヤ難民キャンプ内の学校やガザ市内の学校など3校を砲撃し、AFP通信によると、ジャバリヤの学校で43人が死亡するなど計48人が死亡した。学校は逃げ場のないガザ住民の避難場所で、ジャバリヤの学校には約350人、ガザ市の学校には400人以上の避難者がいた。
イスラエル軍が発表した声明によると、この攻撃による死者の中にイスラム過激派ハマスのメンバー2人が含まれていたとしている。

パレスチナ自治区担当のゲイラード国連人道調整官は6日、声明で、国連がイスラエル軍によるガザ攻撃前から、イスラエル当局にガザ地区内の国連施設の位置を知らせていたことを明らかにし、「150万人近い住民が戦闘にさらされているが、安全な避難場所はどこにもない」と危機感をあらわにした。
また、国連の潘基文(パン・ギムン)事務総長は6日、ニューヨークの国連本部で学校攻撃について「全く受け入れられない」と強く非難した。
6日現在、UNRWAはガザ地区内に23カ所の避難所を開設し、1万4千人以上のガザ住民が避難している。 【1月7日 朝日】
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昨日のブログでも書いたように、今回衝突の原因としてハマスのロケット弾攻撃があり、ハマスのような共存を否定し武装闘争に固執する勢力がガザを実効支配する状況を変えていかないと、今後のパレスチナに安定的な平和はないと考えます。
そのために、今回のようなハマスの軍事力をそごうとする行動は、心情的に理解はできるが、ただ、方向としては逆ではないか・・・といったことを昨日書きました。

それはともかく、どういう立場に立つにしても、記事のような攻撃は“過剰”なものと非難されるべきでしょう。
43人の死者の中でハマスメンバーが2名・・・
常識的な感覚では“残り41人の死は何だったのか?”という問いかけになりますが、およそ戦い・戦争という場では、こういうこともあるのでしょう。

【“誤爆”ということ】
先日の正月はタイを旅行していましたが、帰国のフライトで、映画「イーグル・アイ」の最初のほうを観ました。
映画冒頭で、アフガニスタンらしきところで行われる米軍の“誤爆”によって民間人が犠牲になるシーンがあります。
長年探し求めていたテロリストが表の世界に現れたのを把握した米軍は、無人飛行機の赤外線装置だとか、携帯電話への進入による音声確認などで本人かどうかの識別を行おうとしますが、コンピュータ解析では本人確率は51%と低く、作戦回避が指示されています。
テロリストと疑われる人物は大勢の市民と一緒に葬儀に参列しています。
このテロリストを捕らえる機会は2年に1回ほどです。

国防長官のもとへ大統領からの電話。
長官「参謀本部は攻撃したがっていますが、本人確率が低くシステムからは作戦回避が指示されています。」
大統領「君はどう思うのだ?」
長官「・・・市民の犠牲者が出ないようにすべきだと思います。」
大統領「しかし、彼が本物なら、アメリカ国民に今後犠牲者が出る。」

上のようなやり取りの結果、作戦が決行され、大勢の市民に犠牲者が出ます。
飛行機が目的地に着いたため最初のほうしか観ていないので定かではありませんが、これは“誤爆”だったようで、市民の犠牲に対する復讐のテロ攻撃が行われ、それに対して・・・・という映画のようです。
映画の本筋部分は「・・・」の部分ですが、まだの方は映画をご覧ください。

上記冒頭シーンのようなことは映画の世界の話であり、現実にはありえないことなのでしょう。
ただ、本当の“誤爆”なのか、“はっきりしないが、この際やってしまえ”という意図的な“誤爆”なのか・・・という問題は、現実世界にもありそうな気がします。
繰り返しになりますが、人間同士で殺しあう、相手を殺さないと次は自分が狙われるという戦い・戦争にあっては、それはそういうものなのでしょう。
重要なのは、私たちの世界をそういった状態に持ち込まないこと、そうした狂気の世界に踏み込まないことです。


コメント
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