(オハイオ州の農場主でKKKメンバー NYやLAとはまた別の世界があります。
“flickr”より By escapedtowisconsin
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【銃規制強化には踏み込まず】
アメリカの社会・文化で、日本のそれと大きく異なるもののひとつに“銃規制”の問題があります。
アメリカでは過去1ヶ月間に58人が銃乱射事件で亡くなっているとか。【4月22日号 Newsweek】
銃規制に反対する“全米ライフル協会(NRA)”の力が強いこともよく聞きます。
そんな銃乱射事件やNRAの話を耳にするたびに、「どうしてアメリカはそんなに銃にこだわるのだろうか?」という素朴な疑問を感じます。
“変化”を掲げるオバマ政権誕生で、そんなアメリカ社会も変わるのだろうか・・・と思ったら、必ずしもそういう訳ではないようです。
****米「麻薬戦争」に支援 メキシコへの武器密輸阻止****
オバマ米大統領は16日、訪問先のメキシコでカルデロン大統領と会談し、メキシコ国内で続く麻薬組織の掃討作戦に米国が深く関与する方針を表明した。メキシコ側は「新たな時代の到来だ」と歓迎する。しかし、焦点の米国製武器の密輸封じ込めでは、米国内の銃規制議論とも絡んでくることから、米側に歯切れの悪さを残しつつ協力に踏み出す形となった。
カルデロン政権と麻薬組織の戦いは、「麻薬戦争」と呼ばれる。軍・警察と組織の双方で昨年約6300人が死亡する非常事態を迎えている。同政権は「武器の大半が米国からの密輸品だ」と不満を示し、腰の重かったブッシュ前政権に代わり、オバマ政権が今回の初訪問で、武器の密輸阻止に全面協力することを期待していた。
ホワイトハウスによると、オバマ大統領は首脳会談後、麻薬組織の活動が「米国でも社会を混乱に陥れている」と述べ、カルデロン政権の掃討作戦を米国が支援する方針を表明した。犯罪にかかわる銃器情報のデータベース化を進め共同運用するほか、国境を越えた武器移転の規制強化の法的な枠組み作りを進めることなどが柱だ。麻薬資金の洗浄など、金融にかかわる捜査情報の交換などでも合意した。
だが、オバマ大統領は「(銃器所持の権利を認めた)合衆国憲法修正2条を尊重しつつ、メキシコへの流入を抑えることは可能だと信じる」と述べ、米国内の銃規制強化にまでは踏み込まなかった。【4月18日 産経】
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問題は“オバマ大統領は「(銃器所持の権利を認めた)合衆国憲法修正2条を尊重しつつ、メキシコへの流入を抑えることは可能だと信じる」と述べ、米国内の銃規制強化にまでは踏み込まなかった。”という部分です。
【司法省に緘口令】
アメリカでは近年、外国製の攻撃用銃器の輸入をほぼ解禁しており、ルーマニアやブルガリアなど東欧製の安価なAK47が大量に流入しているそうです。
オバマ大統領は、大統領選挙期間中は「一部の自動小銃規制を復活させる」という公約を掲げていましたが、今のところ具体化の動きはありません。
それどころか、今年2月ホルダー司法長官がメキシコの麻薬組織へ流れるのを防ぐため攻撃用銃器規正法復活を訴えたところ、NRAの激しい抗議活動が起こり、結局ホワイトハウスから司法省職員に対し“攻撃用銃器規制については話すな”という指示が出されたとか。【4月22日号 Newsweek】
クリントン国務長官など、これまで銃規制を支持してきたオバマ政権幹部も、銃規制問題には口を閉ざしています。
オバマ政権としては、経済再建や医療保険改革など重要案件を抱えた今この時期にNRAともめたくない・・・という本音があるそうです。
【修正第2条】
ところで、銃規制反対の根拠とされているアメリカ合衆国憲法修正第2条というのは次のようなものです。
****修正第2条 ****
(人民の武装権)
規律ある民兵は、自由な国家の安全にとって必要であるから、市民が武器を保有し、また携帯する権利は、これを侵してはならない。
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私はこれまで、「個人の生命・財産など、自分の身を守るために銃をもつ権利がある」という考え方かと誤解していましたが、そうではなく、「他国からの侵略や、自国の政府が国民の自由を抑圧する可能性があるから、国民が組織だってそれと戦うことができるように、国民には武器を持つ権利がある。」という考え方のようです。
こうした考え方の是非を論じるのは私の手にはあまりますが、少なくとも、タガーナイフが犯罪に使用されるとその所持が禁止されるような日本、更に言えば、日本国憲法の前文及び第9条の精神とは全く異なるものがあります。
アメリカは日本の最重要パートナーではありますが、こうした明確で深い溝が両社会の間に存在していることは念頭に置いてつきあう必要があります。
それはさておき、アメリカ合衆国憲法修正第2条の立場に立ったとしても、銃乱射事件やメキシコ麻薬組織への攻撃用銃器流失などをそのままにしておいていいという話にはならない・・・と、日本人には思えるのですが。
それでも銃にこだわるのがNRAやアメリカ市民の考え方であり、アメリカ社会においても恐らく一般的には「自分の身を守るために銃をもつ権利がある」といったように考えられているのではないでしょうか。
銃規制に対する考え方の違いは、国家の安全保障や核廃絶などの軍縮への理解など、非常に大きな問題とも関係しているとも考えられますが、話が手におえなくなるので、今日はここまで。