孤帆の遠影碧空に尽き

年に3回ほどアジアの国を中心に旅行、それが時間の流れに刻む印となっています。そんな私の思うこといろいろ。

豚インフルエンザ  メキシコで感染・死者拡大 パンデミックの危険は?

2009-04-25 12:04:35 | 世相

(豚インフルエンザを警戒するメキシコの人々 “flickr”より By juanhidalgo
http://www.flickr.com/photos/juanhidalgo/3472316564/)

この冬は新型インフルエンザのパンデミックも話題になりましたが、幸いに今のところそうした事態は起きておらず、ときに初夏の陽射しも感じる季節になりました。
ただ、インフルエンザに罹る方はまだ身の回りでも見かけます。

新型インフルエンザと言うと、世間では高病原性の鳥インフルエンザからの“ヒト→ヒト”感染への変異が注目されてきましたが、今、メキシコ・アメリカで豚インフルエンザの感染拡大が懸念されています。

****豚インフル:厚労省が情報収集 専門家ら大流行を警戒*****
豚インフルエンザの疑いによりメキシコで60人が死亡したとの報道を受け、厚生労働省は情報収集を始めた。専門家からは人から人へ感染するパンデミック(大流行)を懸念する声があがる一方、季節性のインフルエンザとの見方も出ている。

豚インフルエンザは、A型のインフルエンザウイルスが豚に感染することで起きる。米疾病対策センターによると、1976年に米国で豚から人への感染例が報告されている。通常は人に感染しても軽症でおさまる。ただ、豚は人間と鳥の両方のインフルエンザに感染するため、豚の体内でウイルスが混ざり合いウイルスが変異し、新型インフルエンザとして大流行する可能性が指摘されている。
国立感染症研究所の田代真人・ウイルス第三部長は「米国のウイルスはH1N1型だった。メキシコでも全員が同じ型かどうかWHOが確認中。同一であれば人から人への感染が広がっていることを示し、パンデミックの始まりになる」と説明する。

新型インフルエンザに詳しい外岡(とのおか)立人・元小樽市保健所長は「メキシコでの死者は25~40歳の若年層で、急激に症状が悪化したとみられる。パンデミックの始まりを疑った方がいいのではないか。すでに日本にウイルスが入っている可能性もある。検疫を強化すべきだ」と指摘する。
一方、河岡義裕・東京大医科学研究所教授(ウイルス学)は「米国で検出されたH1N1型は、人間では季節性インフルエンザのAソ連型として流行を繰り返しており、だれもがある程度は免疫を持っている。感染が拡大しても被害は大きくならないだろう」と話している。【4月25日 毎日】
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メキシコでは3月末に初の例が報告され、その後増加。

****メキシコで豚インフルエンザ、60人死亡か*****
メキシコのホセ・アンヘル・コルドバ保健相は24日、同国で豚インフルエンザにより20人が死亡し、さらに40人の死因が豚インフルエンザだった可能性があり調査中だと発表した。コルドバ保健相はこれに先立ち、ブタの体内で変異したウイルスがヒトに感染したと述べていた。

メキシコ当局は豚インフルエンザに感染した恐れがある943人を調査中だとしている。メキシコ政府は人ごみや地下鉄の利用を避けるよう呼びかけ、首都メキシコ市の学校と博物館を閉鎖した。
メキシコ政府は50万人分のワクチンを備蓄しており、医療関係者にワクチンを接種する予定。メキシコ市当局は「季節性インフルエンザワクチン未接種のすべての人」に予防接種する方針を示したが、都市部には約2000万人が暮らしており、ワクチンの備蓄量は十分ではない。【4月25日 AFP】
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世界保健機関(WHO)は、メキシコで18人が死亡したことを確認し、うち12例が米カリフォルニア州で見つかったインフルエンザウイルスと遺伝子組成が同じだったと発表しています。

アメリカではカリフォルニア州とテキサス州で7人の感染が確認されています。
“米疾病対策センター(CDC)は23日、全米で豚インフルエンザに感染した患者が7人報告されたと発表した。患者は全員回復している。患者から分離されたウイルスは人、鳥、豚のそれぞれがかかるウイルスの遺伝子が混じったような未知の遺伝子をもっていた。このためCDCは、ウイルスが変化して人から人への感染が起きた可能性が高いとみている。”【4月24日 朝日】

【WHO 警戒水準引き上げも検討】
前出のように、「米国で検出されたH1N1型は、人間では季節性インフルエンザのAソ連型として流行を繰り返しており、だれもがある程度は免疫を持っている。感染が拡大しても被害は大きくならないだろう」という専門家の意見もありますが、一方で、Aソ連型と豚インフルエンザのH1N1型は微妙に違いがあり、現在の免疫が有効でないこともありえるという専門家の指摘もあります。

現実にメキシコでは大勢の感染者と死者を出していますが、この地域ではもともとAソ連型の感染が少なく、免疫もない者が多かったせいでしょうか、それとも従来の免疫が機能しなかったせいでしょうか?
素人にはよくわかりません。

よくわかりませんが、警戒を要する事態ではあるようで、WHOも対応を急いでいます。
WHOは世界の専門家で構成する緊急委員会を25日にも開く方針を固めました。
WHOでは、新型インフルエンザの大流行に備えて、六段階に設定されている警戒水準を現行の「3」から「4」へ引き上げることも検討されているもようです。【4月25日 共同】

草なぎ君の裸騒ぎはもちろん、上空を通過する飛翔体よりも、その現実的リスクははるかに大きな問題です。
GWでメキシコ等への人の移動が大幅に増える時期でもあり、日本国内への流入の事態も現実的な問題です。


コメント
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