レコード店でLPやCDを購入してルンルン気分で帰り、いざ聴こうとして曲目やメンバーに目を通すとか、音を出してから、実は既に持っていたということが最近起こるようになりました。物忘れが多くなったという理由が一番ですが、再発に際しタイトルが変更になっていたということもあります。タイトルの変更に加えて、リーダーも変えている一枚です。
GRANT GREEN (グラント・グリーン)
GREEN BLUES (Muse 1961年録音)
オリジナルは、リーダーがデイブ・ベイリー(ドラムス)で、タイトルは「Reaching Out」(Jazztime)です。ジャズタイムは、フレッド・ノースウォーシーというプロデューサーがやっていたレーベルですが、売れ行き不振で倒産。続いてデイブ・ベイリーも出資したジャズラインというレーベルも倒産し、これらのテープがアラン・ベイツに売却され、さまざま再発されました。
テープの売却はビジネスの世界ですからよくあることですが、リーダー名まで変えています。売れ行きを考えて、ネーム・ヴァリューのあるグラント・グリーン(ギター)をリーダーにしたものでしょう。ベイリー・ファンとしてはちょっと残念ですが、グリーンはソロも長くとっており、またよく歌っていてリーダーといわれても違和感がありません。
メンバーは、フランク・ヘインズ(ts)、ビリー・ガードナー(p)、グラント・グリーン(g)、べン・タッカー(b)そしてデイブ・ベイリー(ds)です。早く亡くなってしまったテナー・サックスのヘインズの貴重な録音でもあります。ハンク・モブレイにやや似ていますが、もう少し黒っぽいプレイです。
曲目は、「One for Elena」、「Our Miss Brooks」、「A Flick of a Trick」、「Falling in Love With Love」、「Baby you Should Konw It」、「Reaching Out」です。グラント・グリーンに焦点を当てているので、このような順番になったものでしょう。ベン・タッカー作曲の「A Flick of a Trick」と「Baby You Should Know」がとりわけブルージーです。全体に自然と体が揺れるようなスイング感にも溢れています。
ホームページにデイブ・ベイリー(ドラムス)を掲載しました。時間があればご覧ください。
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