安曇野ジャズファンの雑記帳

信州に暮らすジャズファンが、聴いたCDやLPの感想、ジャズ喫茶、登山、旅行などについて綴っています。

ジョン・ルイス AFTERNOON IN PARIS

2008-02-19 22:23:19 | ピアノ

大学4年の子供が卒業旅行に行くというので、どこに行くか訊ねたところ「沖縄」という答えが返ってきました。昨年の秋にはパリの美術館とかローマの遺跡と騒いでいたのですが、卒論などで忙しく友達と相談して国内旅行に決めたようです。時間的、もちろん経済的に遠くに出かけられない私は、せめてジャケットでパリに行った気分に。

JOHN LEWIS & SACHA DISTEL (ジョン・ルイスとサッシャ・ディスティル)
AFTERNOON IN PARIS (ATLANTIC 1956年録音)

 Afternooninparisjohnlewis

ジャズレコードのジャケットにもパリはいくつか登場しますが、エッフェル塔が写っているものにしてみました。ハンク・モブレイ「Reach Out!」(Blue Note)などもありますが、ジョン・ルイス(p)がいかにもパリに相応しいような気がします。

サッシャ・ディスティル(フランスのギタリスト)は、後にフレンチ・ポップスの歌手、作曲家、俳優としても著名でした。ブリジット・バルドー(フランスの往年の人気女優)の恋人?でもあったようです。みるからに好青年、美男子です。二人の双頭アルバムですが、実質はジョン・ルイスが仕切っています。

二人の他にバルネ・ウィラン(ts)、そして曲によりピエール・ミシェロ(b)、コニー・ケイ(ds)とパーシー・ヒース(b)、ケニー・クラーク(ds)です。モダン・ジャズ・カルテットからミルト・ジャクソンが抜け、フランスのミュージシャンを加えて録音されたもので1956年のMJQのヨーロッパ楽旅中の吹き込みです。

曲目は、J・ルイス書き下ろしの「Afternoon in Paris」以外は、「I Cover The WaterFront」、「Dear Old Stockholm」、「All The Things You Are」、「Bags' Groove」、「Willow Weep for Me」というスタンダード5曲です。

典雅な室内楽的ジャズが聴けます。バルネはこのとき19歳です。音はかなり豪放なものの、フレーズは全体のムードに合わせています。ディスティルからは、タル・ファーローの面影も聞こえます。「Willow Weep For Me」がなんといっても聴きもので、落ち着いたグルービーさが感じられます。

ジャケットを眺めながら、ルイスのみずみずしい音に耳を澄ませていると、パリにいるような気分になってくるから不思議です。