9日の土曜日、信州大学に用事があって行ってきました。松本市旭町のキャンパスは、春休みにもかかわらず結構学生もいて、激しく雪が降る中、構内を足早に歩いていました。ジャズ・ミュージシャンで教鞭をとる人は多いですが、ボストンのバークリー音楽院の先生をしていたハーブ・ポメロイの作品を聴いてみます。
HREB POMEROY (ハーブ・ポメロイ)
JAZZ IN A STABLE (TRANSITION 1955年録音)
ハーブ・ポメロイよりも彼の弟子の方がよく知られています。ゲイリー・マクファーランド、ゲイリー・バートン、秋吉敏子らが教えを受けています。ポメロイは、トランペッターですが、そのことよりも1955年からバークリーでジャズミュージシャンを育てたことのほうが日本では一般的かもしれません。
ボストンのジャズというのはあまりききませんが、ストーリービル・クラブはこの街にありましたし、本アルバムもステイブルというボストンのクラブでライブ録音されています。メンバーは、ポメロイのほか、ヴァーティー・ハラウチュニアン(ts)、レイ・サンティシ(p)、ジョン・ネヴェス(b)、ジム・ジターノ(ds)と地味目です。
東海岸だからといって熱血ハード・バップ一辺倒ではありません。むしろ静かに燃えるというムードです。ポメロイは、アップテンポの「Porta Desks and Tuxedos」と「Ray's Idea」で白熱したソロをとるほか、「It Might as Well Be Spring」でも好調です。レイ・サンティシは白人ながら重めの打鍵でリズムも前のめりではありません。「Ray's Idea」におけるプレイは一聴の価値があります。
曲目は1曲を除きスタンダードでテンポは速めです。「It Might as Well be Spring」、「Porta Desks and Tuxedos」、「One Bass Hit」、「Off Minor」、「Sweet and Lovely」、「Ray's Idea」など9曲です。ポメロイの音色はやや細いながらきれいなので、バラードを聴いてみたいところです。
ホームページにエルジー・ビアンキ(ヴォーカル)を掲載しました。時間があればご覧ください。モダンジャズやヴォーカルを聴こう