安曇野ジャズファンの雑記帳

信州に暮らすジャズファンが、聴いたCDやLPの感想、ジャズ喫茶、登山、旅行などについて綴っています。

ジャネット・サイデル COMME CI COMME CA

2008-02-25 21:34:46 | ヴォーカル(E~K)

先週あたりから仕事に追われっぱなしなので、せめてゆったりとしたテンポでリラックスできるアルバムを聴こうと、ジャネット・サイデルのCDを取り出しました。この作品は、あるレコード店の店主から教えていただき購入したものです。さすがに目のつけどころが素晴らしく、僕もたいへん気に入っています。

JANET SEIDEL (ジャネット・サイデル)
COMME Ci COMME Ca (LA BRAVA 1999年録音)

 Commecicommecaseidel 

最近もヘンリー・マンシー二曲集が人気を集めているオーストラリアのジャネット・サイデルの6番目の作品です。特徴は、スタンダードだけでなくシャンソンや映画音楽などを取り上げると同時に、英語と仏語を用いて歌っているところです。それも一曲の中で(コーラス毎に)使い分けています。例えば「These Foolish Things」も途中から仏語になるのです。

選曲はバラエティに富んでいて、スタンダードの「And The Angels Sing」、「Smile」、「These Foolish Things 」、「I Wish You Love」(元はシャルル・トレネ作のシャンソン)、 映画から「Windmills of Your Mind」(風のささやき)、「A man and a woman」(男と女)、「I will wait for You」(シェルブールの雨傘)、シャンソンの「C'est si Bon」、「Padam」、「Les Plaisirs Demodes」(昔かたぎの恋)など14曲です。

伴奏は、Kevin Hunt(p)中心のピアノ・トリオに、曲によりテナーまたはアルト・サックスが加わりますが、Bob Jeffery(sax)がなかなか的確な間奏をいれています。サイデルの仏語は全然違和感がありませんし、言語に関係なく全体に親しみやすく上品でとてもいいです。

彼女の歌を聞いていると、「馥郁」という言葉が浮かんできます。「馥郁たる梅の香り」といえば、とてもよい梅の香りのことですが、仏語で歌っていることもあり「馥郁たる歌声」というかなり感覚的ですが、そんな印象を受けました。

シャンソンやコンチネンタル・タンゴの楽譜を買ってきて、アコーディオンで弾いたことがあります。ボタンの操作など自己流ですが、「パリの空の下」、「ドミノ」、「奥様お手をどうぞ」など今でもメロディだけは出てきます。このCDを聴いているうちに、しまってあるアコーディオンを弾いてみようかという気持にもなりました。

馥郁たるコーヒーの香りとともに聴きたい作品です。