安曇野ジャズファンの雑記帳

信州に暮らすジャズファンが、聴いたCDやLPの感想、ジャズ喫茶、登山、旅行などについて綴っています。

ドナルド・バード SLOW DRAG

2013-07-28 11:58:18 | トランペット・トロンボーン

先日、下條村(長野県下伊那郡)に出かけた際、極楽峠パノラマパークという標高994メートルの景色のいい場所があると聞いたので、足を伸ばしてみました。極楽峠は、下條村から阿智村浪合に通じている林道にある峠ですが、少し離れたところにパノラマパークが整備されていて、南アルプス、中央アルプスなどを一望することができます。当日は、曇りで霞みがかかっていてはっきりとは見えませんでしたが、想像を超える180度の絶景に感激しました。悦楽的な曲も収録されたアルバム。

DONALD BYRD (ドナルド・バード)
SLOW DRAG (BLUE NOTE 1967年録音)

  Slowdragdonaldbyrdcd

このCDを買った時は、タイトルを一目見て、「Slow Drug」だと勘違いして、遅いききめの薬とは麻薬のことだろうと思い込んでいました。しかし、今回よく見ると、「Drug」ではなくて「Drag」でした。Dragが何かは、英文ライナーには書いてありませんが、調べてみると、どうやらラグタイムの踊りのことのようです。Slowがついているので、テンポの遅いダンスというような意味でしょうか。

ドナルド・バード(tp)には、ブルーノートに快作がいくつもあり、「Fuego」など有名な作品もあります。後年は、いわゆるフュージョンの方向にいきまますが、この67年のものは、過渡的ながらハードバップの香りがあります。メンバーは、バード(tp)、ソニー・レッド(as)、シダー・ウォルトン(p)、ウォルター・ブッカー(b)、ビリー・ヒギンズ(ds)。

オリジナル曲が多いですが、それぞれ曲想がよいです。ドナルド・バード作「Slow Drag」、シダー・ウォルトンとウォルター・ブッカー共作の「Book's Bossa」、ソニー・レッド作「Jelly Roll」、シダー・ウォルトンとロニー・マシューズ共作の「The Loner」、そしてスタンダードの「Secret Love」と「My Ideal」で、全6曲。「Slow Drag」は、ファンクに近い感じですが、なんとビリー・ヒギンズ(ds)が曲中でちょっと歌っています。

バード(tp)は相変わらず美しい音色で、軽快に吹いています。また、シダー・ウォルトン(p)のプレイはフレッシュで、クールで落ち着いた感じを与えています。「Book's Bossa」は、早いテンポのボサノヴァで、ジャズボッサ曲としてもっと知られていいのではないでしょうか。シダー作「The Loner」は、モーダルな響きと哀愁味のあるテーマを持った曲で、バード(tp)やシダー(p)のソロもブルージーでかっこよく、最も印象に残ります。2曲のスタンダードにおけるバードも悪くありません。

【極楽峠パノラマパークからの眺望】

雲がかかっていて、霞んではいますが、遠くには南アルプス、中央アルプスが見えています。季節を選び、午前中の早い時間ならばもっとくっきりと見えると思います。写真が全くうまく撮れていませんが、絶景でした。下條村のご紹介 下條村ホームページ

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