安曇野ジャズファンの雑記帳

信州に暮らすジャズファンが、聴いたCDやLPの感想、ジャズ喫茶、登山、旅行などについて綴っています。

マッコイ・タイナー PRELUDE AND SONATA

2015-06-03 23:23:53 | ピアノ

長野市立図書館に本を借りに行ったら、自宅のパソコンで音楽配信を受けられるサービスがあったので利用してみました。ナクソス・ミュージック・ライブラリーのID/パスワード(初回のログインから14日間有効)を発行してもらい、ナクソスのホームページで、それを入力して聴けるようになりました。ダウンロードや録音はできませんが、クラシックなどが無料で楽しめます。僕が知らなかっただけですが、世の中進んでいます。クラシックのジャズ化も行われています。

McCOY TYNER (マッコイ・タイナー)
PRELUDE AND SONATA (Milestone 1994年録音) 

   

本作は、スイング・ジャーナルのゴールド・ディスクで、選曲をみても、日本向けの売れ線を狙った企画かもしれませんが、マッコイ・タイナー(p)が弾き過ぎておらず、抑制の効いた演奏が楽しめて、なかなかよいです。クラシックのジャズ化は、たくさんありますが、タイナーがそれを行ったのにはびっくりしました。

メンバーは、マッコイ・タイナー(p)、クリスチャン・マクブライト(b)、マーヴィン・スミッティ・スミス(ds)。そこに、曲により、アントニオ・ハート(as)、ジョシュア・レッドマン(ts)が加わります。タイナーとマクブライト、スミスという組み合わせも新鮮ですが、当時話題になっていた新鋭のハートとレッドマンがどんなプレイをしているのかにも興味が湧きます。

曲は、クラシックと映画音楽、スタンダードなどです。「Prelud in E Minor OP.28,No4」(ショパン プレリュード第4番ホ短調)、H・マンシーニ作「Loss of Love」(ひまわり)、タイナー作「Contemplation」、「For All We Know」、ミシェル・ルグラン作「I'll Wait For You」(シェルブールの雨傘)、マル・ウォルドロン作「Soul Eyes」、チャップリン作「Smile」、「Good Morning, Heartache」、「Piano Sonata No.8 in C Minor」(ベートーベン ピアノ・ソナタ第8番「悲愴」」の全9曲。

親しみやすいアルバムで、マッコイ・タイナー(p)の魅力をあらためて認識しました。ピアノ・トリオによる「I'll Wait For You」や「Smile」のリズミカルで躍動感に富んだタイナー(p)のプレイが素晴らしく、ハードバップ的な演奏で実力を発揮しています。レッドマン(ts)をフューチャーした「For All We Know」やハート(as)をフューチャーした「Loss of Love」という二つのバラードも美しい。タイナーのオリジナル「Contemplation」の再々演も嬉しいところです。

【ナクソス・ミュージック・ライブラリー】

NAXOS Music Library

【ピアノ・ソナタ第8番「悲愴」の編曲】

マッコイ・タイナーの演奏はアップテンボです。念のため、楽譜(春秋社版)で確認したところ、悲愴の第2楽章(アダージョ・カンタービレ)の主題を用いていました。