安曇野ジャズファンの雑記帳

信州に暮らすジャズファンが、聴いたCDやLPの感想、ジャズ喫茶、登山、旅行などについて綴っています。

ジョン・ルイス THE WONDERFUL WORLD OF JAZZ

2015-06-28 09:50:22 | ピアノ

先日、オーケストラ・アンサンブル金沢の長野公演に行ってきました。北陸新幹線長野金沢間の開業に伴い、長野金沢間は、約1時間で結ばれたので、その効果の一つの現れです。公演の最後に指揮者の井上道義さんが、「文化度が高い長野県にプロのオーケストラがあってもいいのに、どうしてやらないのでしょうか」と話していました。いつの日か長野県内にもプロオーケストラができるといいなと考えながら帰途につきました。クラシックに造詣の深いピアニストです。

JOHN LEWIS (ジョン・ルイス)
THE WONDERFUL WORLD OF JAZZ (ATLANTIC 1960年録音)

   

ジョン・ルイス(p)は、モダン・ジャズ・カルテット(MJQ)での活動が長く、クラシカルな味わいをモダン・ジャズに持ち込みました。僕の学生時代(1970年代)の友人に、ジャズは嫌いだけど、MJQは聴くという熱烈なクラシックファンがいました。MJQは、幅広い層に受け入れやすかったと思います。ジョン・ルイスは、MJQを離れてもいくつかの秀作を残していますが、これもその一枚です。

メンバーは、ジョン・ルイス(p)、ジム・ホール(g)、ジョージ・デュヴィヴィエ(b)、コニー・ケイ(ds)のカルテットが基本です。そこに、ハーブ・ポメロイ(tp)、ポール・ゴンザルヴェス(ts)、ガンサー・シュラ―(Fhr)、エリック・ドルフィー(as)、ベニー・ゴルソン(ts)、ジミー・ジェフリー(bs)が曲によって加わります。

カルテットによるものが、「I Should Care」、「Two Dgrees East, Three Degrees West」(二度東、三度西)、「I Remember Clifford」(クリフォードの思い出)、管楽器が加わった「Body and Soul」(身も心も)、「Afternoon in Paris」、「The Stranger」、「If You Could See Me Now」の全7曲。「The Stranger」だけ馴染みがありませんが、当時バークリー音楽院の学生だったアリフ・マーディンの作曲になるものだそうです。

あまり話題に上りませんが、品格の漂う落ち着いた演奏により、じっくりと楽しめるアルバムです。「Body and Soul」では、ポール・ゴンザルヴェス(ts)、ハーブ・ポメロイ(tp)のプレイが印象に残りますが、ポメロイの録音は少ないだけに貴重。「Two Degrees East, Three Degrees West」は、ジョン・ルイスのオリジナルですが、ここでは、ジム・ホール(g)がいいソロをとっています。CDで追加された「The Stranger」は、エリック・ドルフィー(as)のスリルに富んだプレイが圧巻です。

【オーケストラ・アンサンブル金沢公演パンフレット】

   

2015年6月22日金沢、23日長野、24日新潟と、五嶋みどりを独奏者に迎えて、公演が催されました。その様子は別記事に書きます。