先日、横浜のレコード会社「マシュマロ」とジャズ喫茶「マシュマロ」のオーナーである上不三雄さんが、信州にお見えになったので歓談の時間をもたせていただきました。デューク・ジョーダン(p)やハービー・ステュワード(ts)などの録音時や来日時の興味深い話をうかがい、さらに登山や山岳写真の話で盛り上がりました。もちろん大先輩ですが、ジャズや山を通しての交流はありがたく、再会を約束して、宿泊場所にお送りしました。マシュマロレーベルのアルバムを。
HEINE HANSEN (ハイネ・ハンセン)
WHEN THE SUN COMES OUT (Marshmallow 2010年録音)
デンマークのピアニスト、ハイネ・ハンセンは、2016年にデンマークの権威あるジャズ賞であるベン・ウェブター・アワードを受賞するなど、国内はもちろん海外でも名前が知られつつあります。彼が注目をあびたのは、ドラマーのアレックス・リールのアルバム「What Happened?」や「The High And The Mighty」に参加してのことですが、ハンセンの初リーダー作は、今回取り上げたこのアルバムです。
メンバーは、ハイネ・ハンセン(p)、イェスパー・ルンゴー(b)、モーテン・ルンド(ds)。ルンゴーは、デンマークを代表するベーシストとして数多くのアルバムに参加しています。ドラマーのモーテン・ルンドも、今年(2017年)のシーネ・エイ(vo)の日本ツァーの伴奏で来日するなど、ひっぱりだこのミュージシャンです。
曲は、ジャズ・オリジナルやスタンダード。オーレ・アドルフソン作「Trubbel」、ケニー・ドーハム作「Lotus Blossom」(蓮の花)、エルヴィス・プレスリーのヒット曲「Are You Lonsome Tonight」、シダー・ウォルトン作「Bolivia」、ウォーレンの「Summer Night」、ジジ・グライス作「Minority」、ハンセンの自作「Minor Up Blues」にスタンダードの「When The Sun Comes Out」」、「The Boy Next Door」、「I Should Care」の10曲。アドルフソン(スウェーデンのギタリスト)の「Trubbel」(とるべる)は、初めて聴きましたが、そこはかとなく哀愁の漂う佳曲です。
ハイネ・ハンセン(p)の繊細で美しいタッチとつけるハーモニーが魅力的な上に、メンバーの3人が一体になりスイングしていて、なかなかよいアルバム。バラードの「When The Sun Comes Out」では、ハンセンのそういった特質がよく出ていて、ルンゴー(b)のソロも含めて聴き入ってしまいました。アップテンポの曲では、ルンド(ds)とのやり取りなどダイナミックさがあり、「Minority」や「Minor Up Blues」では疾走するようなプレイが聴けます。「Trubbel」や「Are You Lonseom Tonight」(今夜はひとりかい)の収録も嬉しいところです。
【ジャズ喫茶「マシュマロ」のレコードコンサート予定】
9/3(日)JazzFan持ち寄り大会
9/10(日)Prestige時代のマイルス・デイヴィス特集by上不三雄
9/17(日)JazzFan持ち寄り大会
9/24(日)スティーヴ・キューン特集by茂木亮
10/1(日)JazzFan持ち寄り大会。
10/8(日)貴重映像特集(飲み物代のみ)
10/15(日)JazzFan持ち寄り大会
10/22(日)写真とサウンドで綴るNY ジャズの巨人達by常盤武彦
(「マシュマロ」のお店情報)
住所:横浜市中区山下町214巴里堂ビル2F
電話:090-2202-3293
ホームページ:Marshmallow(facebookのページ)
なお、「都合により9月からしばらくの間、バータイムは、毎週金、土の二日間とさせていただきます。」ということだそうですので、お間違えのないように。
【共通してお気に入りの信州長野県の飲食店】
松本市「かつ玄」。とんかつの老舗。かつ玄で夕食をいただき、同じ建物の2階にあるジャズ喫茶「エオンタ」で珈琲を飲むのが、僕の松本勤務時の散歩コースの一つでした。ランチもリーズナブルです。
安曇野市「La-Felicita」。イタリアンです。上不さんとともに立ち寄ったピアニストのジーン・ディノヴィ(p)さんも激賞したお店です。