上映を楽しみにしていた映画「テノール 人生はハーモニー」を観てきました。
パンフレットの表紙。
(あらすじ)
パリ・オペラ座に、寿司屋の出前できた青年アントワーヌが、エリートレッスン生に見下された仕返しに歌ったオペラの歌真似がプロも驚くまさかの超美声。彼の才能にほれ込んだオペラ教師マリーにスカウトされ、自分とは住む世界が違うと考えながらも秘密のレッスンを始めた彼は次第にオペラに熱中していくが・・・。
(主な出演者)
音楽オーディション番組「THE VOICE」で注目されたビートボクサーのMB14が主演を務め、自らオペラ歌唱にも挑戦。「100歳の少年と12通の手紙」のミシェル・ラロックがオペラ教師マリーを演じ、世界的テノール歌手ロベルト・アラーニャが本人役で出演。監督は、クロード・ジディ・ジュニア。詳しくは下記を参照。
(感想など)
貧しい階層出身の青年が、その歌の才能を生かし、オーディションまで辿りつくというサクセスストーリーが主な筋で、それ自体は応援したくなる内容でした。全編に流れるオペラの旋律や歌声、そしてパリ・オペラ座の美しい内部など映像も素晴らしい。
家族や地域の結びつきが強く、そこから躊躇しつつも解放されていく、青年(アントワーヌ)の生き方は、フランスでは多くの共感を得たに違いないと思って見ていました。フランスは、大きな格差社会であることを如実に感じさせる内容でもあります。
重苦しくならないように、コメディタッチの部分もあり、主人公アントワーヌの兄役のディディエ(演じたのはギヨーム・デュエム)の演技には笑いました。オペラ教師役のミシェル・ラロックは、軽妙なところも見せ、いい役者さんが揃っている映画で、観に行って良かった。
【映画「テノール」公式サイト】
映画『テノール!人生はハーモニー』公式サイト (gaga.ne.jp)
【長野相生座・ロキシー ホームページ】
以下、参考です。
(主な出演者、監督)
ロベルト・アラーニャ本人が出ていました。歌も歌っており、豪華な配役に驚きました。
(パリ・オペラ座)
パリ・オペラ座は、ナポレオン三世の指示で建設された劇場です。設計は、建築家シャルル・ガルニエによるもので、そのため、オペラ・ガルニエやガルニエ宮とも呼ばれています。1874年12月に完成し、1875年1月5日に落成式が行われました。
主人公のアントワーヌが初めてオペラ座に足を踏み入れた際に圧倒された観客席に続く大階段。
バルコニー
舞台から観客席の眺め。天井には、マルク・シャガールによって描かれた天井画「夢の花束」。
(映画中に登場するオペラの名曲)
映画を観たら、登場したオペラアリアなどを聴きたくなりました。
【ペテル・ドヴォルスキー・オペラアリア集】
伝説の指揮者、カルロス・クライバーの信任が厚く、1981年と1988年のミラノ・スカラ座日本公演にも一緒にきているチェコ出身のペテル・ドヴォルスキーの歌を楽しみました。僕の愛聴盤です。
(ボローニャ歌劇場日本公演のチケットをとりました)
2023年11月7日に行われるイタリアのボローニャ歌劇場高崎公演のチケットを確保しました。演目がプッチーニの「トスカ」で、久しぶりのオペラ観劇なので、今から楽しみです。