近藤史恵さんの小説は、「ビストロ・パ・マル」シリーズ(「シェフは名探偵」として2021年5月に連続ドラマ化されました。)をはじめ数冊読みましたが、この文庫本も面白そうなので、購入しました。
「徳間文庫大賞2023受賞!」をPRするためのカバーが本来のカバーの上にかかっていました。
なお、徳間文庫大賞は、全国の書店員が中心の徳間文庫大賞実行委員会により、優れた小説を発表した作家を奨励するために2015年に創設された賞。毎年、1年間(2023年は、2021年10月から2022年9月まで)に刊行された徳間文庫(2023年は106作品)の中から、優れた作品に贈呈される。下記にリンク貼りました。
「徳間文庫大賞2023」受賞作、近藤史恵さんの『歌舞伎座の怪紳士』に決定! - 徳間書店 (tokuma.jp)
元々のカバー表紙。
(あらすじ)
(感想など)
外出もままならなかった主人公(岩井久澄)が、観劇代行のアルバイトをきっかけに、外の世界に再び歩み出し、就職にも結びつけていくという大まかなストーリーで、主人公を応援したい気持ちも湧いてくる温かな小説です。
主人公は、自らチケットを購入するなど、どんどん歌舞伎に惹かれていき、それが外出や友人との出会いに繋がっていきます。こういう事例は、実際にありそうで、演劇や演奏会(音楽)の役割とか力といったものを肯定的に描いていて、共感しました。
著者の歌舞伎に関する造詣が深く、演目の説明など、歌舞伎入門にもなります。主人公を手助けする謎の怪紳士の「謎」については、微笑ましいものでした。ミュージカル「オペラ座の怪人」をもじった題名に加え、オペラ「カルメン」も登場し、音楽好きにも格好の小説です。
(著者略歴)
【「ミュージカル オペラ座の怪人」を聴きました】
「歌舞伎座の怪紳士」を読んだら、「オペラ座の怪人」を聞いてみたくなり、CDを取り出しました。その昔、ロンドンで、多分、オリジナルャストによる公演を観た際に、劇場のショップで購入したものです。
ジャケット
音楽はロイド・ウェーバー。サラ・ブライトマンらが出演。