推理小説や警察小説を多く書いている笹本稜平さんの「山岳捜査」を読みました。
(カバー裏面にあるあらすじ)
(感想など)
表紙に雪山が描かれ、山岳や警察関連の小説で面白そうだと思い購入。春先の鹿島槍ヶ岳と五竜岳が舞台で、それらに登ったことはありませんが、手前の小遠見山や天狗岳から何度か見ているので、親しみもあり、ワクワクしながら読み進みました。
長野県警山岳救助隊の活躍を描いていますが、ハイライトは、第十二章の、山岳救助隊の3人が、滝川父娘の救助のために、猛吹雪の夜に五竜岳からキレット小屋へ急峻な岩場を進み救助に向かう場面で、手に汗握りました。
また、県警の遭難救助ヘリコプターについても細部まで書かれていて感心しました。ただ、捜査の対象となる遭難事件や失踪事件などミステリーのあらすじがやや弱いのが弱点ですが、それを補って余りある山岳ものだと思いました。
(著者略歴)
笹本さんは、登山経験が豊富で、北アルプスには頻繁に来ていたようです。
文庫本には地図も挿入されていて、参考になります。僕は、昭文社の大きめの地図を見ながら読みました。
2022年と2023年の3月に、小遠見山を経て天狗岳に登っています。その際に撮った写真です。これは五竜岳。
五竜岳から左に、主人公と言える桑崎巡査部長らが、救助に向かい歩いた尾根。
鹿島槍ヶ岳。
鹿島槍ヶ岳の下部には、この小説の舞台でもある氷河の「カクネ里」があります。
【参考 現実の長野県警の山岳情報など】