トミー・フラナガン「OVERSEAS」とBRUTUS2021年10月15日号「特集 村上春樹（上）読む編」の話題

雑誌「BRUTUS10月15日号」の特集は、小説家の村上春樹さんで、村上さんの蔵書や著作に関連した記事が面白く、次の号も楽しみです。そこにトミー・フラナガン（p）が出てきたので、彼のアルバムを。

TOMMY FLANAGAN　（トミー・フラナガン）
OVERSEAS　（Metronome　1957年録音）

　　　

トミー・フラナガン（p, 1930～2001年）は、既にお亡くなりになって20年になろうとしています。多くのアルバムが残されていますが、極めつけの演奏が聴ける本作品は、多くの方が、耳にしているのではないでしょうか。

メンバーは、トミー・フラナガン（p）、ウィルバー・リトル（b）、エルヴィン・ジョーンズ（ds）。1957年のJ. J. ジョンソン（tb）グループのスウェーデン楽旅の際に、そのリズムセクションの3人が現地で録音したもので、フラナガンの初リーダー作に当たります。

曲目は次のとおり。

1  Relaxin' at Camarillo （Charlie Parker）
2  Chelsea Bridge （Billy Strayhorn）
3  Eclypso （Tommy Flanagan）
4  Beat's Up （Tommy Flanagan）
5  Skal Brothers （Tommy Flanagan）
6  Little Rock （Tommy Flanagan）
7  Verdandi （Tommy Flanagan）
8  Dalarna （Tommy Flanagan）
9  Willow Weep For Me （Ann Ronell）〈柳よ泣いておくれ〉
9曲中6曲がトミー・フラナガンの自作で、旅先のスウェーデンで作ったと推測される、5、7、8も含まれています。

全部良いのですが、個人的に好きなところを記します。バラード「Chelsea Bridge」では、デリケートなタッチで強弱をつけ、途中テンポアップするなど変化に富んだ演奏が素晴らしい。「Beat's Up」は、何気ない曲想の曲ですが、エルヴィン（ds）、リトル（b）との絡み合いが楽しく、「Skal Brothers」で、フラナガンがダブルハンドによる和音で旋律を綴っていくところには痺れています。「Verdandi」は、フラナガンのシングルトーンが美しく、エルヴィン（ds）のブラシが強力。「Dalarna」のメロディ、ソロにも魅了されています。

【参考：スウェーデンでの放送録音を収録したCD　J.J. JOHNSON IN SWEDEN 1957】

　　　

マシュマロレーベルから出されたものです。このアルバムについて記した拙ブログへのリンク

【安曇野市宅です。本日はトミー・フラナガン特集でレコード聴きました。】

【BRUTUS 2021年10月15日号】

　　　

表紙

 

　　

村上春樹の私的読書案内。51冊の本を紹介しています。以下、読んでみたいと思った本です。

粟村政昭著「ジャズ・レコード・ブック」

　　　　　

僕も持っていますが、1974年発行の第5刷です。村上さんのものは、1968年発行の初版本だと思います。

『戦後の日本の小説家の中でいちばん文章がうまい人というと、やはり安岡章太郎だろう。』と記しています。安岡章太郎さんの小説を読んでみたくなりました。

『畏友・安西水丸が残した不朽の名作だ。』とあります。

『僕は田中小実昌さんの翻訳が好きで、古書店を回って、彼が訳したミステリー本を買い集めている。』とあります。

　　　

村上春樹さんの著作について触れた記事。1979年「風の歌を聴け」でデビュー以来42年、長編短編併せて30作品、翻訳は91作品あるそうです。

　　　

エッセイで巡る村上カルチャー地図。エッセイも多数書いていて、世界のいろいろな場所が登場します。

　　　

ボストンのジャズ・クラブで聴いたトミー・フラナガン。本日の拙ブログは、ここからフラナガンのアルバムを聴いてみることにしました。

　　　

翻訳家としての村上春樹についても、詳しく載っていました。

　　　

早稲田大学キャンパス内に、村上春樹ライブラリー（早稲田大学国際文学館）が、この10月にオープンするそうです。入館には事前にHPでの予約が必要だそうですが、一度訪ねてみたい。

施設は5階建てで、1階にはオーディオルームがあって、村上さんが寄贈したレコードの一部が飾られているそうです。また、村上さんが経営していたジャズ喫茶ピーターキャットで使われていたピアノが地下1階に展示してあるそうです。