安曇野ジャズファンの雑記帳

信州に暮らすジャズファンが、聴いたCDやLPの感想、ジャズ喫茶、登山、旅行などについて綴っています。

RAY BRYANT (レイ・ブライアント) SLOW FREIGHT

2008-01-06 00:45:18 | ピアノ

長野市内は昨日も晴天で、次第に年末年始に降った雪も溶けてきています。市内近郊にある飯綱スキー場は、家族連れで賑わっているようです。県内各地のスキー場も利用者が伸びるといいのですが。雪が残る鉄道敷きが写っているジャケットのレイ・ブライアントの作品です。

RAY BRYANT (レイ・ブライアント)
SLOW FREIGHT (CADET 1966年録音)

  Slowfreight_2

レイ・ブライアント(ピアノ)の作品中、カデット・レーベルのものはあまり評判がよくありません。ジャズ・ロック的なものも含まれ、娯楽色が強いせいでしょうか。本盤はピアノ・トリオによる印象的な演奏が収録されているので、ずっと手元においてあります。

メンバーは、ブライアント(ピアノ)、リチャード・デイビス(ベース)、フレディ・ウェイツ(ドラム)と、アンサンブルだけに起用されたA・ファーマー(tp)、S・ヤング(tp)です。ブライアント作「Slow Freight」、ドナルド・バード作「Amen」などトランペットが入った曲もゴスペル調でそれなりに楽しめます。

ピアノ・トリオによる「Satin Doll」は、よくスイングするリズムを聴いているだけで、気持ちがよいです。短いながら、ピアノ、べースのソロが入ります。「When The World was Young」は、ワルツで奏されます。原曲がシャンソンということもあるのでしょうが優雅です。この曲における、ブライアントの切れのいいタッチ、そしてアルコ(弓)ソロをするデイビスの深々とした音色は、さすがです。

レイ・ブライアントは、ブルース、ゴスペルに根ざしたピアニストだといわれます。そのとおりですが、メロディの美しい原曲を重くなることなくプレイしたものが結構好きです。代表は、プレスティッジの「Golden Earring」ですが、本盤の「When The World was Young」もその一例です。

リチャード・デイビスは、シカゴ交響楽団の一員でもあったべーシストで、抜群の安定感を示します。ピアノ・トリオの曲がもう一曲入っていますが、ドラムもよかっただけに、どうせなら全部トリオでやってほしかったものです。売れ行きはあまり芳しくないかもしれませんが。


CAROL SLOANE (キャロル・スローン) LIVE AT 30th STREET

2008-01-03 19:57:17 | ヴォーカル(A~D)

ヴォーカルの今年初めて聴くアルバムをどれにしようか迷っていましたが、スイングするジャジーなライブ仕様のものにしてみました。歌詞の内容から、時々聴きたくなる「On The Street Where You Live」も入っているアルバムです。

CAROL SLOANE (キャロル・スローン)
LIVE AT 30th STREET (COLUMBIA 1962年録音)

  Liveat30thstreet

日本でファンが多いキャロル・スローンの作品です。彼女には若いころの録音が少ないのが残念ですが、ライブ形式でよい作品を残してくれました。

録音は、1962年8月31日(金曜)、マンハッタン30丁目のCBSのスタジオに人を集めて行われおり、ほとんどワン・テイクでとられたようです。伴奏は、ピアノトリオ+ギターですが、クレジットがなくて誰だかわかりません。ピアノは、カウンターラインをときどき入れたりしていい出来だと思います。

収録曲は、「Chicago」、「Taking a Chance on Love」、「On The Street Where You Live」そしてエリントンの「In a Sentimental Mood」、「Don't Get Around Much Anymore」など12曲です。いずれも快調ですが、君住む街で(On The ~)と「Don't Get Around ~」がかなりいけてます。

私のものは日本盤LPですが、収録時間は35分くらいで、ちょうどいいです。最近のCDはやたら長いのが多くてどうかと思います。年末にダスコ・ゴイコヴィッチのCDを数枚聴いたのですが、長すぎるものがありました。ダスコをやっとHPにアップしたのでよければ覗いてみてください。
http://www6.ocn.ne.jp/~jazzvo/DuskoGoykovich.html


BUD POWELL (バド・パウエル) THE SCENE CHANGES

2008-01-01 23:46:36 | ピアノ

1月1日は、初心に返ろういうわけで、毎年自分にとって古典的なアルバムを聴いています。だいたいバド・パウエル、アート・ペッパー、ソニー・ロリンズといったところを元旦に聴いています。今日は、パウエルの「クレオパトラの夢」にします。

BUD POWELL (バド・パウエル)
THE SCENE CHANGES (Blue Note 1958年録音)

  The_scene_changes_bud_powell

Amazing Powellの第5集にあたります。5集でもこれだけのものを作るのだから、精神的に不安定だったといわれていますが、天才の証ですね。多分、パウエルのアルバム中日本で最も愛好されているものではないでしょうか。その理由は「クレオパトラの夢」が収録されているからですね.

CLEOPATRA'S DREAM(クレオパトラの夢)は、曲として魅力あふれる作品です。バップの時期に活躍した人が、これだけオリジナリティのある、しかも口づさむことのできる親しみやすい作品を作ったことが驚異です。しかも、アドリブが引き続いてよくて、跳ねるような音使いで比較的長いラインを作っていきます。

他の作品、特にLPのA面5曲は快調です。しかも、ポール・チェンバース(ベース)、アート・テイラー(ドラムス)の共演陣もはつらつとしています。ART TAYLORのプッシュぶりは特筆ものでしょう。

村上龍がパーソナリティをやっていたテレビ番組に「RYU'S BARきままにいい夜」(1987年10月~91年3月)がありました。この番組のテーマ音楽が、山本剛(ピアノ)が演奏する「クレオパトラの夢」でした。たまに見ていましたが、面白い番組でした。いい夢を見れるように、これで寝ます。