安曇野ジャズファンの雑記帳

信州に暮らすジャズファンが、聴いたCDやLPの感想、ジャズ喫茶、登山、旅行などについて綴っています。

ベンクト・ハルベルク AT GYLLENE CIRKELN

2011-02-07 21:37:13 | ピアノ

書道(僕の場合は習字)の関係で遅い新年会に行ってきました。先生をはじめ書き初めの作品を持ってきた人が多く、新年会らしい会になりました。僕は宴会要員で、肩身が若干狭かったのではありますが(笑)。女性陣が小説や映画を話題にして、宮部みゆき、東山圭吾、村上春樹などの名前が挙げられていましたが、村上春樹は人気が薄いようです。僕は、最近の推理小説で、中山七里著「さよならドビュッシー」を読んだと話しました。その小説にはピアニストが登場します。

BENGT  HALLBERG (ベンクト・ハルベルク)
AT GYLLENE CIRKELN (metronome 1962年録音)

 Atgyllnencircle2

スウェーデンのピアニスト、ベンクト・ハルベルク(p)は、スタン・ゲッツ(ts)のルースト盤における「Dear Old Stockholm」などで、ゲッツに寄り添いながら、抒情的なソロを繰り広げていたので、すぐに名前を覚えました。ゲッツとの共演歴が注目されたためか、比較的早くからこのLPは国内発売されていました。

ストックホルムのジャズクラブ「ゴールデン・サークル」におけるライブ録音です。ベンクト・ハルベルク(p)、ラルス・ぺテルソン(b)、ステュア・カリン(ds)というメンバー。北欧のミュージシャンなので、クールさを期待して購入したことを覚えています。

曲目は、ハルベルクのオリジナルが「Gyllene Cirkeln」(ゴールデン・サークル)、「Morning Party」、「Rubato Blues」の3曲、モンクの「Round About Midnight」、アン・ロンネルの「Willow Weep For Me」(柳よないておくれ)、古いスタンダード「Dinah」(ダイナ)、そして、多分スウェーデンの作曲家Richard Heubergerという人の書いた「IM Chambre Separee」(離れた部屋)の7曲。

ハルベルクの多彩な面を見せてくれる作品で、「Dinah」では、はじめの方に前衛的な手法をとりいれていますが、トリオがよくスイングした演奏です。「Morning Party」も、ちょっとオスカー・ピーターソンを髣髴とさせるスインギーなもの。「Rubato Blues」とブルースと題していても、全体にブルージーさはあまり感じられませんが、反面、「Willow Weep For Me」など詩情を湛えたプレイは一聴の価値があります。

【中山七里著 さよならドビュッシー】

宝島社文庫。「このミス」大賞・大賞受賞作だそうです。

   Sayonaradobyushii  


チェット・ベイカー PLAYBOYS 

2011-02-02 21:35:43 | トランペット・トロンボーン

半額サービス券の配信があったので、近所のツタヤに行きdvdを物色してきました。目に付いた「Alfie」(1966年製作)に、ソニー・ロリンズ(ts)が音楽を付けていたのを思い出したので、それを借りてきました。イギリス映画で、マイケル・ケイン扮するプレイボーイをめぐるお話ですが、主人公の説明付きのストーリーなので、今一つ映画に没頭できませんでしたが、最後はちょっと物悲しくなります。ロリンズの同名アルバムも久しぶりに聴きましたが、チェットとペッパーの「Playboys」です。

CHET BAKER (チェット・ベイカー)
PLAYBOYS (Pcific Jazz 1956年録音)

 Playboys

ウェスト・コースト・ジャズも折に触れて聴いていますが、その中でも、チェット・ベイカー(tp)とアート・ペッパー(as)は別格です。その二人が揃った、アルバムが悪かろうはずがないと思い、その昔レコード店で手に取った多分初めて発売されたCDを購入したのですが、全く期待通りでした。本来はチェットとペッパーの双頭作品です。

初めて聴いたときには、チェット・ベイカーが明るくハードに吹き、リズムも強力なので、ウエスト・コーストの録音とはいえハードバップに近いという感想をもちました。今聴いてもその印象は変わりませんが、ジミー・ヒース(ts)が、7曲中5曲を提供し、全てのアレンジを行っていることも影響しているのかもしれません。

メンバーは、西海岸オールスターズで、ベイカー(tp)、ペッパー(as)、フィル・アーソ(ts)、カール・パーキンス(p)、カーティス・カウンス(b)、ローレンス・マラブル(ds)。曲は、ジミー・ヒース作の「For Minors Only」、「Resonant Emotions」、「Picture of Heath」、「For Miles and Miles」に、アート・ペッパー作の「Minor-yours」、「Tynan Tyme」です。

ジミー・ヒースのアレンジは、すっきりとしたアンサンブルにしてあり、各人のソロに焦点を当てているかのようです。期待にたがわず、ベイカー、ペッパーはまさに旬のプレイを行い、加えてフィル・アーソのスムーズでメロディアスな演奏にも驚かされます。リズム陣も、カール・パーキンスのはじけるようなピアノをはじめ推進力があります。どの曲もよいですが、ことに「For Minors Only」、「Minor-Yours」、「C.T.A」。