JR長野駅の駅ビル「みどり」の屋上には、夏のシーズンにビア・ガーデンが開設されます。既に営業を開始していたので、たまには、空の下で飲むのもいいかと、職場の仲間と数年ぶりに寄ってみました。いくらか涼しい風に吹かれながら、ピッチが上がり続け酩酊しました。自宅まで歩いて帰ったのですが、転倒などせずに無事でよかった。スピード感のあるプレイです。
STEVE KUHN (スティーヴ・キューン)
COUNTDOWN (RESERVOIR 1998年録音)
スティーヴ・キューン(p)に対しては、特にECMの作品によって、耽美的、抽象的なプレイをするという印象を抱いていました。もっとも、その印象は初期のころのもので、80年代以降は様々なアルバムを出していて、このレザボアレーベルへの録音は、右手のシングルラインを中心とし、リズムもはっきりとしたものです。
メンバーは、スティーヴ・キューン(p)、デヴィッド・フィンク(b)、ビリー・ドラモンド(ds)。ドラムやベースのソロが入るものもありますが、基本的に、キューンのピアノを中心としたトリオ演奏です。それにしても、キューンのピアノの音(サウンド)は最高で、水も滴る美音とか、豊潤と言うような形容をしたくなります。ルディ・ヴァン・ゲルダーが録音に当たっていて、そのせいもあるのかもしれません。
曲は、ジャズ・スタンダードとキューンのオリジナルなどです。コルトレーン作「Countdown」、スティーヴ・スワロ―作「Wrong Blues」、マイルス・デイヴィス作「Four」、ベニー・カーターの「When Lights Are Low」、キューンの自作が「Chalet」、「Last Year's Waltz」と「Tomorrow's Son」、あとはスタンダードで、「Why Did I Choose You?」、「She's Funny That Way」、「Speak Low」の全10曲。キューンの自作も有名なもので、親しみやすい選曲です。
キューンの鮮烈なサウンドによる爽快なプレイが楽しめ、ブルージーさは少ないですが、ハードバップの好きな方にもいいのではないでしょうか。「Countdown」における、キューン(p)の小気味良いプレイでまず引きずり込まれます。「Last Year's Waltz」の出だしの、妖しいフレーズとタッチは、彼ならではのもので、個性が際立ちます。おなじみの「When Lights are Low」や「Speak Low」は、メロディをくっきりと出し、バウンドもする楽しい演奏。
【ビアガーデン 長野市駅ビルみどり屋上】
スマホによる酔いながらの撮影なので画像はよくありません。
予約だけで満席のようでした。
屋上からの長野駅前の様子