家訓は「遊」

幸せの瞬間を見逃さない今昔事件簿

水を喜ぶ

2010-05-16 07:01:41 | Weblog
水分不足の植物を見ると気の毒になる。

ひたすら、その場で水を待つしかないのだから。

水を撒くと萎れていた彼らが、すぐさま元気を取り戻し活き活きとしてくる。

ニョキニョキと伸びている新緑が強くたくましく見えてくる。

水瓶の水面に水をかけると中の金魚やメダカが嬉しくなって水面に上がってきて泳ぎ始める。

彼らは水の中で生きている。

それなのに降り注ぐ水が嬉しいようだ。

水をくれるだけで、それぞれを育てている気になれる。

ついでに道祖神にも水をかけた。

白っぽくなっていた表面が、いくぶん黒くなりツヤツヤして見える。

御影石で出来ているわけだから細胞に水を吸収するなんてことはないはずだ。

その細胞がないはずの道祖神が喜んでいるように見えた。

「暑いよなぁ今日は。石で出来ていようと人間の形をしているから暑い日にゃあ水がほしいよなぁ」

独り言を言いながら水をかけていると道祖神が本当に笑っているように見えてきた。

合掌している手が何となく私に「ありがとう」を言っているようにも見えた。

そんな姿に見えると今度は私にありがたい気持ちが湧いてきた。

水遣りして元気にしてもらったのは私のようだ。