楽土舎 地下の舞台でのジャズコンサートに行ってきた。
演奏者は 金澤英明(コントラバス)溝入敬三(コントラバス)柴田敏弥(ピアノ)。
「静岡県の変わったことが好きな皆さん」という金澤さんの挨拶で始まった。
夜の野外でのコンサートなのだから、そういう言葉が浮かぶのは当たり前かもしれない。
蚊取り線香の煙が立ち昇り虫の音が高らかに鳴り響き空は満点の星。
芝生の上に座り込んだ聴衆の顔を時おり涼しい風が撫でる。
今回はアルバム「春」のトリオでの演奏で、そのアルバムからの曲を何曲か披露してくれた。
「春を売って旅して来ました」という金澤氏のMCに笑いが起きる。
売春かよと。
彼独特のウイット ユーモアが演奏にも現われる。
チャカチャカチャンチャン チャンチャンチャンという中華風の音階をさりげなく入れたりするのだ。
隣に居る溝入氏も思わず微笑んだ。
さすがにプロだけあって卓越した演奏で我々を魅了した。
だが屋外である故にコントラバスのはらわたをえぐる様な重低音は聴かれないし都会的な打楽器的サウンドも空に虚しく吸い上げられていった。
だが今回はもうひとつ私にだけプレゼントが用意されていた。
駐車場から楽土舎に向かうとき180センチはあろうかという美女二人が道に迷っていたのだ。
私が声をかけたのは言うまでもない。
場内で別れたが観客席で唯一背を持たれかけることの出来る場所を確保していたら再びその二人が偶然隣に座った。
かくして「今日は3人で来ました」のような幸運に見舞われたのである。
「今日のこの天気は私の行いが良いために」と金澤氏が言う。
私も同じことを言いたくなった。
「今日のこのラッキーは私の行いが良かったからです」と。