家訓は「遊」

幸せの瞬間を見逃さない今昔事件簿

山本一樹展

2010-10-20 07:23:38 | Weblog

ギャラリーケイブ(http://www3.tokai.or.jp/cave/)で行われている「double coreのおひとり山本一樹氏と会った。


モーガンO氏の紹介で本来なら土日祭日しか開館していない、そのギャラリーを開
けてもらった。


山本氏も奥様もオートバイで駆けつけてくれた。


山本氏は静岡文化芸術大学で デザイン学部 生産造形学科の教授をされている。


ギャラリーでまず目に付いたのは柔らかな木を使っていると錯覚した作品だ。


「鉄です」と言われなければ木製だと思ってしまうほど見た目が柔らかい。


なだらかな曲線に錆の茶色、階段を下りていくと良い具合に朽ちかけたベンチがある。


木立の影が地面に広がる。


夢で思い描く「好きな場所」のようだ。


鉄板にミシン目が入っている。


紙ならミシン目を入れるためのローラーでカラカラと穴を空けてゆくのだが鉄の場合そうはいかない。


一つ一つドリルで空けていくしかない。


だが出来上がった鉄を見ると、
こことここを持ってビリビリと破けそうに見える。


まるで柔らかく軽やかで暖かい。


だが触ってみれば硬くて冷たい鉄だ。


鉄も別の命をもらったかのようで嬉しいであろう。


私も錆びた鉄が大好きだから話が面白いこと。


鉄の錆を出す液体や銅に緑青を浮かせる「秘伝のタレ」を持っているそうだ。


また武器や鎧(よろい)の活躍していた時代から鉄にウルシを塗ったり焼き付けたりしているそうだから、その歴史は長いらしい。


話は作品から車に移りオートバイになり修理から旅行からあっちに行きこっちに戻り。


山本氏も奥様も本当に飾らない気さくな人たちだった。


作品同様暖かく包容力に富み希望に満ちている。


笑いながらの楽しい時間は本当に短い。


残念ながら帰ってきた。


今度は、わが妻も交えてお会いしたいと思っている。