家訓は「遊」

幸せの瞬間を見逃さない今昔事件簿

KZロード土砂崩れ

2010-03-20 09:50:24 | Weblog
K’ZROAD というドライブコースが春野に出来て我が家は、ちょうど あきはコース上に位置していることは1月にお伝えした。

そのコースが通行止めになっている。

この先2.0Km崩土により全面通行止め

という看板が立っている。

この看板が立ってからもうすぐ1週間になろうとしている。

やっと許可が下りたのか、お金のめどが付いたのか。

工事車両が行き来を始めた。

3台のダンプカーが往復する。

相変わらず私は山の雑木の切り倒しをしていた。

ダンプカーは低速で走行しているのだが山奥から出てくるのが分かる。

山のかなたから忍び寄る不気味な音響。

山の向こう側に回りこんだことも、その音で見えるように分かる。

近づくに連れて地響きも伴ってひたすらこちらにやってくる。

ダンプカーの「ゴゴー」という咆哮と共に足音も去っていく。

しばらくすると次の車両も同じような山ノ神のタタリのような響きを轟かせて去る。

パパパパーン

突然爆竹の音が谷に鳴り響いた。

「ははぁ。サルが出たな」

まさか山の中でサルの集団と出くわしたくないなと思いながら作業した。

サルの方が敏感だから私の存在に先に気付いてくれるだろう。

Y爺さんから群れから外れた1匹だけの大きな大人のサルがいることを聞かされたばかりだ。

「大人の男が座ったくらいあれえ」とそのサルの大きさを語る。

山は平穏であっても弱い人間には恐い場所でもある。

今日から通行可能になるこの林道だが通る人は少ない。




忘れ物

2010-03-19 08:05:57 | Weblog

スケジュール最後に予定していた「現金を渡す」が出来ず焦った。

現金を入れた手帳をなくしてしまったのだ。

金融機関に戻って聞いてみたが手帳を預かっていることはないという。

しかたなく交番に届け出ようとした。

交番に向かう途中で、もう一つの金融機関に寄って聞いてみることにした。

今日は複数の金融機関を回ったのだ。

そちらに置き忘れてあった。

忘れ物に落胆し、また失くした場所を間違えていたことも気落ちに拍車をかけた。

だが反面届けてくれた人もいるということが分かって嬉しかった。

他人の物を失くしたわけではないし上司からこっぴどく叱られるわけでもない。

だがそう言って自分を甘やかしていると、またやってしまいそうな気がする。

忘れっぽくなっている自分を何とかしてミスを起こさせないようにしたい。

今回は、その良い機会があったと考えたい。

母は「これでシャキっとするに」と言う。

注意深く行動したようでも、どこか抜けているところがある。

果たして良い方法は見つかるだろうか。


高貴な毛虫

2010-03-18 09:40:27 | Weblog
一年前に切り倒した木から、また枝が伸び青々とした新芽が吹いている。

これを放置すると山のスッキリした姿は失われてしまう。

いっそのことノコギリで根元付近から切り落とすことにした。

ギコギコ シャカシャカ スカッ

直径10センチ長さ30cmほどの木を切った。

コロッと倒れた木に白い毛虫がいた。

みると少しだけではあるが毛が動いた。

「お洒落な奴だ」と第一印象。

真っ白な髪をムースで逆立たせ上方向と横方向の流れを一定にした感じ。

フサフサとした毛波は、高貴な感じを受ける。

ネットで調べてみたが、この高貴な彼の名前も当然将来の姿も見つけることが出来なかっ
た。

誰か教えて。

間伐依頼

2010-03-15 08:27:15 | Weblog
間伐の着手前に森林組合担当者が現地を見に来た。

「だいたいの図面は頭に入っている」とのことだ。

それもそのはず。

彼は、ここの前のオーナーから依頼を受けてこの辺一体の整備を行っていたのだ。

私よりも、当然この地域には詳しい。

「あのコナラは私が植えました。ここはかなり暗い状態だったのですよ」とあちらこちらを説明してくれて私の方が「ああそうですか」と聞く。

入り組んだ土地の形状から、その所有者まで把握している。

「ここを、こうしたいのです」と私が言うと

「じゃぁこうして、こうしましょうか?」と最上の案をすぐその場で提示してくれた。

これなら任せられると感じた。

切り倒す予定の杉にピンクのテープを手際よく縛りつけていく。

テープを切るのは、やはり腰に付けたナタだ。

「ピシッ」と気持ちよい音で切れる。

「ここは、きれいになっていますが誰か雇いましたか?」

という質問が誉め言葉に聞こえた。

「いや。私がやりました」と得意な顔になって答えた。

「全く変わってしまいましたね」と言う。

ほぼ1年中3年間草刈りをしてきたから山の奥まで陽がさして明るく見えるようになった。

補助金を受けて間伐をする。

これは私個人の利益ではなく多くの人のためになることだと思っている。

「美味しい海の魚が食べられるのは私のおかげでもある」という気持ちで山を整備していこうと思う。


大人の水遊び

2010-03-14 09:29:27 | Weblog
柿渋染めに精を出す妻に

「沢の整備に行ってきます」と言って家を後にした。

妻は「ああ。水遊びね」私の後姿に声が届いた。

知っていた。ちゃーんと。

雨のあとには沢に、いつもは無い水が流れている。

だって、ここの字(あざ)は「カラサワ」なのだ。

昔から水の無い沢だったから付けた字の名前なのだ。

上から下までは無理だから初めから限定した部分だけ手を着ける。

まずは杉の枯れ枝をどかす。

大きな物から小さな物までキリが無いほどある。

周りの草を抜く。

そして岩や石をどけたり足したり。

上側に深い淵を作り次に瀬を作って最後は滝に落とす。

水の流れを良くすることは、お約束事項だ。

これは子供の頃学校帰りによくやった。

溜まった雨を見つけると傘の先で溝を掘り水の方向を決めてやると、そちらに流れ始める。

水はカッサライで砂利をどけると面白いように流れを変える。

一気に流れが変わると、それに応じて水流の音も変わる。

水の勢いは音で分かるし雫も見ていても楽しい。

小さな物は流されて川底にあった大きな石や岩が顔を出す。

突然「これは人生なのだ」と思いついた。

水は岩がなくなると一斉に動き出し岩が置かれると動きを止める。

「右往左往する水」これが私だ。

私は傘の先でもなければ、それを操る人でもない。

面白くてやりすぎた。

情緒の無いただの早い流れになってしまった。

沢ガニが迷惑そうに身を潜める。

鳥がけたたましい警戒音をたてる。

まったく私はお邪魔虫。  だが続ける。

苔むした岩。   「おお。感じいいじゃないか」

苔むした倒木。  「これもいいじゃないか」

だが配置してみると全くセンスが無い。

宝の山は、ほとんど姿を変えずに残っている。

晴れれば水が無く雨が降れば流れを変えて枯れ枝を運び石を転がしてくる。




パスポート

2010-03-13 07:52:23 | Weblog
妻が海外旅行に行くことになった。

安価な旅行で国内よりも、むしろ安いくらいだ。

「いってらっしゃーい」と言っている矢先

「しまった」と妻。

パスポートの期限が切れていた。

急いで取り直しする必要がある。

私は、さしあたって旅行計画は無いけれども取っておくことにした。

約10年前のパスポートを出してみた。

妻は少し成長し私は色の変化が目立つようになった。

ショッピングセンター内のカメラ屋でパスポート用写真を撮った。

25分ほど時間をつぶしで戻ると出来上がっていた。

「なんか顔ばかり大きく写したね」と共通の意見。

写真の全面が顔になっている。

この期限が切れる頃には、どんな顔になっているのだろうか。

今回も10年用のパスポートを申請した。

申請書をあらかじめ受け取り書き込んでいったので手間は取らなかった。

正味1週間で出来上がる。

来月妻は旅行に行き私は空港まで送り迎えに行く特典がある。







椿油

2010-03-12 08:53:19 | Weblog
庭で咲く椿を切り取って花瓶に刺して玄関に置いてある。

薄っすらと散りばめた黄色の花粉の真ん中に真っ赤な花が「ポトン」と落ちている。

まだそのまま咲いていても良さそうな新鮮な花だ。

何の未練も無く茎から放れる潔さは見事である。

花を拾わずに置くのも、それもまたいいかなと思いしばらく落ちた花を楽しむ。

お客様を迎えるに当たって花を拾い雑巾をかけた。

すると花の落ちていた辺りに水滴らしきものが見えた。

雑巾で「サッ」とふき取った。

ところが、まだ残っている。

「あれっ?」

再度雑巾で拭う。

だが痕は取れない。

ひょっとして家具の表面に水ぶくれのような物を作ってしまったか。

少し真剣に雑巾で擦った。

やっと取れた。

これは何だろうという疑問が浮かんだ。

ひょっとして椿油?

ちょっとだけ調べてみたが答えは分からない。

ただ油分は種子の中にあるという。

椿油は、いろいろな所に使用できる良質の油のようだ。

髪に使うのは有名なのだがその他の皮膚にも使えるらしいし食用にも機械用にも使えるらしい。

ずいぶん活用できる「使える奴」だ。

てんぷら用油とか石鹸やシャンプーとして製品になっている。

種子を圧搾して採油するということだ。

自宅で拾った種を送ると油を絞ってくれる会社もあるということが分かった。

しかし次の疑問が浮かんだ。

こんなにストンと花が落ちてしまうのに、どこにどうやって種子が出来るのだ?



通常の注意

2010-03-11 10:36:27 | Weblog
「ナーナーナ ナナナーナー ナナナーナー」

車の中は私の叫ぶひどい音程で満ちていた。

図書館から借りているビートルズのCDの中の17トラック「ヘイジュード」が流れていた。

春野に向かっていた。

自宅から聞き始めたビートルズアンソロジーをバックに気分良く走行する。

運転席から見たものから思いつき、またそこから連想しては考えイロイロ頭の中を混ぜ混ぜしながら走行していた。

天浜線天竜二俣駅の近くで我々の地区担当駐在さんが車の運転手と話をしていた。

「おや○○さんだ」と思いながら進む。

しばらくすると違う巡査が赤色点滅ライトを持って立っていた。

「あれ。こちらにも」

続いて以前強盗に遭った郵便局にもオートバイにまたがった巡査がいた。

「今日は、やけにおまわりさんが出ているな」と感じた。

いつもネズミ捕りをする箇所に差し掛かった。

ここを走行するのは私だけ。

対向車は何の合図も送ってよこさない。

だが必ず法定速度にするくせがついている。

「おっカメラだ」

安心してカメラの横をヘイジュードを唸りながら通り抜けた。

見ればヘッドセットをした巡査が訪れない客待ちに疲れた感じで、ダレた様子だ。

毎日毎日雨が降り続く中やっと晴れた。

この日に急いでやらなくてはいけないことがある人がいる。

この日には軽快に飛ばしたくなる感情が生まれる。

その日に速度取締りがある。

飛ばしたくなる箇所での取り締まり。

今日は、それがありがたいものに感じた。

誰にでもあり得る「スキ」を通常の感覚に戻す作用がある。

油断は人生を台無しにする。




子犬を連れて

2010-03-10 08:14:25 | Weblog
妻と一緒に山に入った。

私はナタとノコギリで雑木を切り倒す。

妻はカッサライ(草を掻っ浚う道具)で草をかっさらっていた。

私はナタで木を切っているときにも妻が少し気になる。

山から落ちはしないか。

草で滑って転びはしないか。

一息つく時には妻を探して確認する。

作業は奥へと進むが意識の一部は、妻のそばに置いていく。

自分の作業をしている時にも耳をそばだてて音を聞いている。

「静かになったときが危ない。何かしでかすぞ」

子育ての時に経験したことを今また実践している感覚だ。

見ると妻は杉の木の皮を剥がしていた。

「虫が食ったみたい」と言って、けっこう上の方までカッサライで剥がし続けていた。

これは妻の好きな作業だ。

山にある切り株の腐りかけた部分を切り崩す。

あちらこちらで、そのような切り株を見つける。

そんな切り株を見つけると1人で作業しているときにも妻と居るような気がする。

「子犬を連れて山に入ったみたいだ」と妻に言った。

主人が仕事をしている間中何かでじゃれているような感じを受けたのだ。

すると妻は妻で逆に感じていたようだ。

妻が子犬を連れてきて山に放す。

木を切るのが好きな子犬は次から次へと切っては移動する。

「はぐれないように近くまで来て見守っていたけど、まだやってる。そうとう好きなのね」
と。






母の誕生日83歳

2010-03-09 08:40:53 | Weblog
今年も無事母の誕生日を迎えることが出来た。

83歳。

元気だ。

無印良品でブラウスをソックス屋さんで5本指の別れた靴下を夫婦で選び買ってあった。

我が家の庭で咲いていた水仙も添えて母に渡した。

嬉しそうにもらってくれた。

曾孫の風邪引きを気にしていたが

「今日は学校に行けたよ」と喜んでいた。

自分より家族のことを先に気にかけるのが母の健康法かもしれない。

階段の下り方が、かなりゆっくりになった。

老いは私の目から見ても憎たらしいほど確実に進んでいる。

ボケ防止の意味で5本指の靴下にしているという。

1本1本丁寧に指を入れることで老いに立ち向かう。

本人の闘いを私は補助したい。

大切にすることと私のような出来損ないが心配をかけることの両面で行こうと思う。