昨日の第 5594回「国 内生産回帰」 でパナソニックの中国からの生 産回帰を喜びましたが、どうや ら私が知らなかっただけで、大 きな流れは起きているようで す。散々、何時まで経っても撤 退しないと悪態をついてきまし たが、やはり、既に動きはあっ たようです。
何時もの宮崎正弘さんが詳しく書いてくれています。
宮崎正弘の国際ニュー ス・早読みより 平成27年(2015)1月7日(水曜日)
ようやく本格化した日本企業の日本回帰
東芝もパナソニックも、日本に工場を新設し、生産拠点をもどす
安倍首相は『週刊文春』新年号の櫻井よしこ氏との対談でアベノミクスや外交を 語ったが、なかでも東芝を例に挙げて海外で生産してきた拠点の一部の日本回帰現象を強調した。
円高と中国の賃上げが主因だが、ほかにも日本回帰の要件がある。
国内に雇用が生まれることである。
2013年、中国での凄まじい「反日暴動」に嫌気をさして、日本企業の撤退が始 まった。同年、日本企業の対中投資は47%の激減となった。
しかし当時はまだ「円高」の状況。それで『チャイナ・プラス・ワン』の標語の下、 ベトナムとミャンマーなどアジアへの進出ブームが続いた。
ところが、ベトナムは親日とはいえ、一党独裁、賄賂まみれの国であり、規制が強 い。とくに流通・サービス、金融関係ではなかなか条件をクリアできず、勢いがあるのはODA関連である。
新年早々も日本が支援したハノイ空港第二ターミナルとアジア最長と言われる吊り橋 の落成式に太田国土交通大臣がテープカットに飛んだ。
ミャンマーも、やっとこさ自由化の波が押し寄せてはいるが、日本企業専用の工業団 地は昨秋から工事がはじまったばかり、インフラ整備が遅れている。選別的進出分野は金融、不動産などである。
この状況に『円安』旋風が吹いた。
一ドル=80円台から、ドルは120円台となって、日本企業の企業業績も躍進し た。
日本のように賃金が高くても、優秀なエンジニア、労働者が大量にいる国で生産した 方が結局は生産効率が良い。
そのうえアベノミクスが掲げる『三本の矢』の中軸には「地方再生」がおかれ、地方 に工場を建設し雇用する企業には減免措置が講じられる。
▼日本企業が生産拠点を日本にもどすのは自然の流れではないのか
パナソニックは中国で生産してきた家電製品を順次、国内に戻す。中国にあれだけ 奉仕してきた同社も、すでに北京に保持してきた巨大ショールームを閉鎖している。パナソニックは電子レンジ生産を神 戸工場に、洗濯機を袋井市工場に移す。
TDKはスマートフォン、自動車電子部品生産を日本に引き揚げる。
シャープもテレビなどの製品を栃木、八尾工場に引き上げる計画を発表した。ダイ キンは家庭用エアコンの一部の生産を滋賀県に移転完了している。
戻り遅れは巨大な設備投資をして、下請け企業もろとも大規模に中国に進出し、生 産がようやく中国で本格化した自動車、化学コンビナート、造船、鉄鋼などだが、中国に於ける設備拡大をもはや口にし なくなったきた。
日本株は新年に欧州を襲った通貨危機を切っ掛けに目先弱含みだが、米国の景気が意 外に良く、外人ファンドの狼狽売りが一巡すると、回復する気配である。
マスコミの取り上げが少ないので気が付かなかったのだろうかと思っていたら、産経 さんが詳しく取り上げてくれました。
SankeiBiz(サンケイビズ)よ り 2015.1.7 06:55
日 本企業“脱中国”鮮明に TDKやパナソニック、生産拠点の国内移管検討
中国にある生産拠点の一部について、国内に切り替える企業の動きが広がってき た。電子部品大手のTDKは、 中国で生産する部品の3割を段階的に国内に移管する方向で検討に入った。パナソニックも、中国で製造する縦型洗濯機 や電子レンジを国内生産に順次切り替え る。円安の加速や人件費の高騰で、中国での生産比率を下げるのが狙い。地方創生を掲げる政府にとって、企業の“脱中 国”の動きが広がれば追い風となりそう だ。
TDKは中国リスクを警戒し、現地から海外に輸出しているスマートフォンや自動車 向け電子部品の生産を順次、国内生産に切り替える。現在、同社は中国で25の主要生産拠点を持ち、売上高全体の 4~5割程度が中国生産とみられる。
最近では、中国の工場での従業員の定着率が落ちているほか、人件費も高騰してい る。こうしたリスクを軽減するため、国内への生産移管を決めた。候補地としては、秋田県や山梨県にある既存工場の遊 休施設を活用する方向で検討している。
パナソニックも中国で生産し、日本で販売する家電を国内生産に順次切り替える。縦 型洗濯機を静岡県袋井市の工場に、電子レンジを兵庫県神戸市の工場に、それぞれ生産移管する。
同社は中国を含め海外で生産する家電約40機種を国内に切り替える方針だが、その 背景には円安の影響がある。現在の為替相場は1ドル=120円前後の水準で、海外で生産した製品を輸入すると採算が 悪く、減益が避けられないという。
一方、シャープの高橋興三社長も6日、同社で会見を開き、テレビや冷蔵庫の生産の 一部を栃木県矢板市や大阪府 八尾市の工場に移す方向で検討を始めていることを明らかにした。高橋社長は「1ドル=120円で移した方が良いもの は出てくる。工程数の少ないものから移 したい」と述べた。
■中国から国内への生産移管または切り替えを検討している企業
企業名/概要
パナソニック/洗濯機や電子レンジなど家電の一部を静岡県袋井市や兵庫県神戸市の 工場に移管を検討
シャープ/テレビや冷蔵庫など家電の一部を栃木県矢板市や大阪府八尾市の工場に移 管を検討
ホンダ/国内販売する原付バイクの一部を熊本県大津町の工場に移管を検討
TDK/スマートフォン、自動車向け電子部品を秋田県の工場などに移管を検討
ダイキン工業/家庭用エアコンの一部を滋賀県草津市の工場に移管
キヤノン/カメラや事務機などの国内生産比率を段階的に50%に引き上げる方針
やっと企業もその気になってきたということのようです。それにしても、これも本の一部でしょうから、日本の雇用がど れ程奪われているかを想像するだけでもぞっとするものがありますね。
やはり、経営者には自社の利益も大事でしょうが、日本の雇用や将来も考えてもらう必要があります。これだけ、我も我 もと生き残りの為もあるとは言え日本の雇用を壊滅させたことは反省して、これからの経営にも生かしてもらいたいもので す。
1ドル=120円が分岐点ということがはっきりしたと言うことは、政府の円安の目的値もはっきりしたのですから、こ れから、国内の雇用を守るためにも、この120円を死守する政策を続けてもらいましょう。
この流れに乗って、一気に国内回帰が進めば、いよいよ中・韓の崩壊も確実になると言うものです。日本にとって、この 国内回帰は最高の戦略と言えるで しょう。中・韓の崩壊は日本だけでなく世界平和の上でもこれ以上ない成果となって世界でも大歓迎されるはずです。もしか したら今年は日本再生の始まりの年 かもしれません。