韓国にボロボロにされてきた日本家電メーカー が、やっ と一矢を報いたのでしょうか。久しぶりに嬉しい記事です。
シャープの二の舞になるとは思え無いですが、それでも、苦戦が報道されつづけているパナソニックにとっては久しぶり の朗報 じゃないでしょうか。
ZAKZAKより 2016.06.27
【ビ ジネス解読】テスラに袖にされたサムスン それでもパナソニックに付け入るスキあり? (1/3ページ)
韓国の電機大手サムスンSDIが米電気自動車(EV)大手テスラ・モーターズに袖にされた。サムスンはテスラの新型 EV「モデ ル3」に搭載するリチウムイオン蓄電池の供給を目指してきたが、調達先からあっさりと外されてしまったのだ。同社にEV用蓄電池 をほぼ独占的に供給するパナソニックの壁は高く、表向き冷静な反応を装うサムスン首脳も内心ほぞをかんでいるにちがいな い。
■株価が乱高下
「パナソニックと独占的に取り組んでいる」
テスラのイーロン・マスク最高経営責任者(CEO)は8日、短文投稿サイトのツイッターにこう書き込んだ。モデル3向 け蓄電池 について、サムスンからも供給を受ける方針とする一部報道を否定したものだ。
供給への期待感からサムスンの株価は7日に、前日比6.28%高の11万8500ウォンまで上昇したが、マスク氏のツ イートを きっかけに8日は一転8.02%安の10万9000ウォンまで下落した。売り上げでみれば3分の2の規模でしかないテスラにサム スンが翻弄されている構図が株価からも浮き彫りとなった。
朝鮮日報によると、サムスンはこれまで、モデル3に蓄電池を供給するため総力戦を繰り広げてきた。マスク氏のツイート に同社は 表立った反応を見せていないが、財界関係者は「テスラは調達先を多様化するような動きを見せてきたし、サムスンもテスラへの供給 を目指して蓄電池の研究開発を進めてきた。こうした状況を否定するツイートに、サムスンは不意打ちを食らった様子だ」 と、同社の 狼狽ぶりを打ち明けたという。
■テスラ症候群
テスラに振り回されているのはサムスンだけではない。韓国内のEV部品メーカーはテスラと手を組むというニュースが伝 われば、 株価が跳ね上がり、反対のニュースなら落ち込むという状況だ。韓国メディアでは、「テスラ症候群」との表現も頻用されている。
中央日報によると、MSオーテックやマンドはモデル3に軽量化部材やブレーキなどを供給すると報じられると、株価は大 きく上 がった。MSオーテックの場合、報道の1カ月前から株価が2倍以上に上昇して「内部情報が漏れたのではないのか」という疑いまで 持たれているという。
テスラの影響力がこれほど大きくなっているのは、世界のEV市場で同社の台頭が著しいからだ。
来年末の発売を予定するモデル3は今年3月の予約開始から注文が殺到。すでに約40万台の受注を獲得している。昨年の 同社全体 の生産台数の約8倍で、日産自動車のEV「リーフ」の累計販売台数の3~4倍に当たる規模だ。
モデル3はテスラ初の大衆車で、米国の基本価格が3万5000ドル(約365万円)と現行車種の半額以下。1回の充電 で走れる 航続距離も約345キロメートルとリーフの280キロメートルを上回る。マスク氏は5月、2020年に昨年の20倍に相当する年 産100万台を達成すると宣言した。
マスク氏はオンライン決済のペイパル、ロケット開発のスペースX、太陽光パネルのソーラーシティと、手掛ける事業で 次々と注目 を集めてきた。そのカリスマ性もテスラのブランド向上に寄与している。
朝鮮日報は「グローバル市場を牛耳る韓国の蓄電池メーカーがさほど関心を寄せていなかったテスラが、モデル3という革 新的な車 で脚光を浴び、両者の力関係は入れ替わった」と指摘した。
■つけいる隙も
リチウムイオン蓄電池はEVの駆動源に当たる「キーデバイス」だ。
テスラのEV用蓄電池は韓国LG化学も供給するが、スポーツ車向けなどごくわずかで、パナソニックが事実上の独占状態 を維持し ている。性能や品質面での優位性を保っているためだ。パナソニックはテスラと共同で米ネバダ州に、50億ドルを投じて巨大蓄電池 工場「ギガファクトリー」を建設中で、年内に一部が稼働する。
両社の緊密な関係は明白だが、韓国メーカーはなおつけいる隙はあるとみているらしい。ギガファクトリーが完全に稼働し ても生産 が需要に追いつかないとみられることが根拠だ。調達先をパナソニック1社に絞れば価格交渉で不利になると、テスラが判断するにち がいないとの期待もある。
車載用リチウムイオン蓄電池はパナソニックや、日産とNECの合弁会社オートモーティブエナジーサプライが世界1、2 位を占 め、日本メーカーが優勢にある。日本の自動車メーカーがEVやハイブリッド車(HV)で先行した影響が大きい。
ただ、韓国勢も性能、品質面での差を縮め、急速に追い上げている。リチウムイオン蓄電池の全用途合計では、すでに韓国 勢が日本 勢を逆転した。民間調査会社の富士経済によると、車載用の世界市場は19年に8200億円と14年の2.5倍に拡大する見通しだ が、液晶パネルや半導体など日本勢が韓国勢に追い抜かれた事例は多い。車載用リチウムイオン蓄電池でもうかうかしてはい られな い。(本田誠)
パナソニックはナショナルの名前を捨てたことも、この苦戦の原因の一つと言えば言い過ぎかも知れませんが、今や、グ ローバリ ズムからナショナリズムへの流れが出来てきたには、皮肉でしょうか。