トランプさんの対中国の考えがはっきりせずにイライラする日が続いています。早く、叩き潰してもらいたいのですが、やはり、そう簡単なものではないようです。
何時もの、宮崎さんも、まだ良く分からないと書かれいています。宮崎さんにさえ読めないものが、私ごときに分かるはずもないのでじっと待つしかなさそうです。
宮崎さんは、中国嫌いの上級顧問のスティーブ・バロンがカギを握っていると考えているようです。
宮崎正弘の国際ニュー ス・ 早読みより 平成29年(2017)2月27日(月曜日) 通算第5202号
宮崎正弘 の国際ニュース・早読み < トランプは何を考えているのか、まだよくわからない。
トランプは何を考えているのか、まだよくわからない。
青ざめる中国、楊潔チ国務委員が訪米、ティラーソン国務長官らと会談へ
中国の外交を司るのは王毅外相ではない。その上の国務委員(閣僚級)の楊潔チである。楊は元外相、元駐米大使、国連総会で 「尖閣諸島は日本が盗んだ」と公言した、日本から見れば危険人物、基本的に強固な「反日」派である。
王毅は習近平に取り入るため、国内の動きのほうが国際情勢より重要であり、ボンのG20外相会議には土壇場まで出席をため らった。もし国内の重要会議をすっぽかしたら、首が危ないうえ、次の国務委員昇格という野望が潰えるからである。
要するに中国の外交高官は習近平の顔色をみてから行動を起こすのである。
北朝鮮の暴走を甘やかしてきた中国は、いま金正男暗殺という予期せぬ出来事に、国連制裁決議に基づいて石炭輸入禁止措置を 講じた。
この大向こうを狙った政治的ジェスチャーを、米国はほとんど一顧だにせず、「中国は影響力を行使するべきだ」と批判を緩めな い。
南シナ海では七つの岩礁を埋立て、勝手に三つの人口島に滑走路を建設し、合計20ヶ所に軍事施設、あまつさえミサイルを配 備し、格納庫を造って、国際秩序に真っ正面から挑戦し続けている。米国はこれを座視しているつもりはないらしい。
なにしろ上級顧問のス ティーブ・バロンは、安全保障会議のメンバーにも加わり、米国の国防、安全保障、軍事戦略の最終位置決定プロセ スに関与する。
中国が注目するのは、このバロンである。通商タカ派のピーター・ナヴァロ教授は「国家通商会議」の議長だが、安全保障会議 には加わらない。マクマスター安全保障担当大統領補佐官は政治的パワーが未知数である。
バロンへの酷評も盛んである。
「バロンは暗い歴史の強迫観念に取り憑かれていることは憂慮に耐えない」(ビジネスインサイダー)
「バロンは黙示録予言を信じ切っており、戦争は不可避的であると考えている」(ハフィントンポスト)
「バロンは第三次世界大戦は不可避的であると信じている」(ネィション)。
中国は狙いをつけ、まずはバロンの思想、考え方の分析に入った。
トランプ政権の閣内不一致をアキレス腱として狙いを定め、ティラーソン国務長官に近づくことが第一目標、そしてトランプの側 近らの攻略を準備しようというわけだろう。
なにしろバロンは「五年から十年以内に、米国と中国は戦争になる」と公言してはばからない人物であるにも関わらず、トランプ はもっとも頼りにしているのだから。
▼バロンに思想的影響を与えた書物
スティーブ・バロンに甚大な思想的影力を与えた書物があるという。ワシントンポスト(2月24日号)の拠れば、ニエール・ ハウとウィリアム・ストラウスの共著三冊であるという。
『世代(1584-2061 アメリカの歴史と未来展望)』
『第四次転回点 威厳とのランデブーは次の歴史循環』、
そして、
『千年の勃興 1982年移行の世代こそ次の偉大な世代』
という本だ。
ただし、いずれも邦訳はなく、筆者は原書を読んでいないので、ニエール・ハウ本人が書いたコラムから推量するに次のような 内容だという。
バロンが製作した『ゼロ世代』は、彼らが書いた黙示録としての未来の歴史を下敷きにしている。それはポピュリズムとナショ ナリズムが国家正統派思想とともに拡大し、その傾向は米国だけではなく世界的規模でおこる(まさに現在西欧でも進行中だ)。
第二次大戦の勝利の高揚から偉大な社会建設とアメリカ人の戦後的価値観は、ほぼ20年ごとに変遷している。
もし、この一世代が二十年とすれば、次におこるのは新しい世代の価値観に求められるだろう、とする。」
▼第四次歴史的転換点とは何か?
また米国史という歴史からいえば、過去に三回、価値観の大変革があった。いま迎えようとしているのは「第四次転換点」であ り、それは国家、社会の価値観、個人主義、国家の運営のあり方を根源から変革する衝動の波となって現れた。
その過去のパターンとは、すなわち1945年、1865年、そして1794年の出来事が参考になるという。
1945年はいうまでもないが、1865年は南北戦争、リーカーンが再選され、アメリカは南北に別れて死闘を繰り返した。
1794年は独立宣言から18年後だが、上院議会が成立した。
第四次転換点はすでに2005年に開始されており、金融恐慌、アメリカ経済の減退は、あたかも1930年代の不況とのパ ターンと重なる。
アメリカは新しいアイデンティティを必要としている。
経済成長と減退は変則的で失業の増大と労働、資本の投資対象が変わり、デフレへの恐れを目撃しつつ、不平等の拡大、中央銀行 への不信、消費の衰えという状況の中で、孤立主義とナショナリズムと右翼思想の興隆を見てきた。民主党リベラル思想は沈下し た。トランプはまさに時代の流れを掴んで出てきたのだ。
まさに1930年代のような『ゼロ世代』の時代が来ているのだ、とする。
ニエール・ハウはこう書いた(ワイントンポスト、2月24日)。
「われわれは変動激しい時代に遭遇しており、歴史は加速し、リベラルは退潮している。レーニンが『数十年間は何事もおこら なかったが、数週間で数十年にあたりする出来事が起こる』と書いたように、いまアメリカが遭遇しているのは、こういう変革の 時期なのである」
バロンは、こうした考え方におおきな影響を受けており、かれは「五年から十年以内に中国と戦争が起きるだろう」と予測する に至った。
バロンさんて誰だろうと思っていたらバノンさんですね。
スティーブン・ケビン・バノン(Stephen Kevin "Steve" Bannon, 1953年11月27日)は、アメリカ合衆国の実業家、右派のインターネット・メディア経営者。アメリカ合衆国首席戦略官・大統領上級顧問。ドナルド・トランプ支持者。
こうなると、このバノンさんが、考えを変えずに中国との対決を本気でやってくれることを期待します。
アメリカも、幾ら何でも、本当の中国に気がついてきたのじゃないでしょうか。今、叩き潰しておかずに延命させると、何時の日か大変なことになるでしょう。
トランプさんが大統領になったのも、必然なのじゃないでしょうか。安倍さんとトランプさんで中国を叩き潰すことこそが世界にとっても最後のチャンスじゃないでしょうか。
きっとやってくれるでしょう!