いよいよ米中通貨戦争が始まりそうです。とは言え、その実力の差は明らかでしょう。
Chinaは何をとち狂って米に対抗しようとするのでしょうか。もしかしたら単なるバカなのかもしれません。もちろん習皇帝です。
宮崎さんがドルの強さと元の弱さを分かり安く分析してくれています。
「宮崎正弘の国際情勢解題」より 令和2年(2020)6月3日(水曜日) 通巻第6519号
コロナ禍に黒人暴動で米国経済の悪化は明瞭だが
赤字国債残高が25兆ドルに迫るも、「ドル安」懸念拡がらず
2016年に人民元は「ハード・カレンシー」の仲間入りをした。すなわちIMFのSDR通貨パケッジに加盟を許されたの だ。国によってドル、ユーロ以外に人民元で外貨準備の法定通貨とすることが出来る。人民元を法定通貨としているのはジンバブ エである。
SDR加盟以後も、中国経済の躍進が伝えられた。
ところが、世界統計で、外貨準備における通貨シェアは米ドルが43%と首位は変わらず、人民元は1・6%となって國際金融の 世界からは相手にされていないことが分かる。
中国自身も3兆ドル余あると自慢する外貨準備高のうち、米ドルは2005年に79%だった。これが2019年統計で、他の 通貨に切り替えたとはいえ、依然として60%が米ドルである。
中国はいくつかの国と人民元スワップを締結し、あるいは上海の原油先物市場には人民元決済を可能とするシステムを構築し、 人民元の国際的パワーの獲得に邁進してきた。だが、いまもって人民元で直接、買い物が出来るのは、香港、ラオス、カンボジ ア、タイなど地域的に限定されている。
「ドルには過大な特権が付与されている」とジスカール・デスタン仏大統領が発言したのは1965年だった。すでに半世紀以 上も前から、このドルの特権的地位に、すこしの減退があったにせよ、不動である。
しかし今回のコロナ禍で、トランプ政権は3兆ドルもの財政出動をやってのけ、赤字国債の累積は25兆ドルを越えた。米国の GDPは22兆ドルで、第一四半期のGDP速報はマイナス7・5%と報じられている。世界全体が不況だからドル安懸念は遠の いている。
米行政予算局は先月に米国GDP予測をマイナス39・6%と衝撃の数字を並べた。四割も凹むのだ。6月2日にやや修正し、 GDPはマイナス7・9兆ドルとした。
この数字にしたがって計算するとGDPはマイナス35・9%となる。IMFは米国GDPをマイナス5・2%程度と予測してい るから、この予測数値の乖離は凄い。
一方、「アメリカは通貨戦争の『核弾頭』を用意している」と、意外にも中国の経済研究グループがシミュレーションしている事 実が浮かんだ(サウスチャイナ・モーニングポスト、2020年6月1日)。
トランプ政権は貿易戦争における高関税で貿易不均衡の劇的改善を目指したが、これによって中国基軸のサプライチェーンに亀 裂が入った。
▲金融戦争でアメリカが準備する『核弾頭』とは?
次にファーウェイ、ZTEなどハイテク企業の排除に乗り出したことと同時並行して、ハイテク盗取に厳重な警戒網と阻止政策 に転じ、中国資本の米国企業買収阻止、上場基準の厳格化により、中国企業のウォール街からの追放、技術スパイの摘発、中国人 留学生へのヴィザ条件を変更し、さらには協力したアメリカ人大学教授らも逮捕した。
就中、大学院留学生の米国入国ヴィザを一年とし、現在数年のヴィザをもつ中国人留学生の分を失効させる。
中国基軸のサプライチェーンは大きく変化し、それぞれの国に工場を戻す動きが加速化した。こうしたハイテク戦争の詳細はこ れまでにも論じてきたが、米国が次に準備を進めているのが、金融戦争である。
香港民主人権法により、中国人の在米資産凍結が何時でも可能。くわえて国防権限法などにより、中国が保有する米国債の凍結 が可能。すでに中国人は在米資産の移管を急いでいる。そこへもって、中国が全人代で香港安全条例に踏み切ったため、トランプ 政権は本格的な金融制裁に動く。その中味は何か?
中国が動かせないのは米国債権である。保有は1兆1000億ドル。これを担保に中国は國際金融活動が可能だからである。し かし中国がこれまでに購入した米国企業や不動産などはあらかた売却し、留学生の多くも引き揚げ、共産党幹部は隠し口座の移し 替えに躍起である。
中国は最悪にシナリオを討議する。
孫子の兵法のくにゆえに、自分ならこうするから、相手もこうするに違いないという発想が基底にある。
したがって米国が終局的に考慮しているシナリオのなかで『核弾頭』に該当する政策とは、「ドルとの交換停止」、つまり中国 を国際通貨交換システムが排除することだと中国に経済ブレーンが考えるのも当然といえば当然だろう。
その可能性は低いが全面戦争状態となれば、発動されるシナリオのひとつである。げんにイランはドル交換システムから排除さ れている。
これだけ勝ち目のないChinaが未だに崩壊せずに存続していることが不思議であると同時に独裁のおそろしさを思わずにはいられません。
こんな国と、未だに手を切る決断の出来ない日本はやはり完全に狂っているのでしょう。