金の亡者達が香港で年初から為替や株で儲けようと通貨当局と戦っているようです。お金持ちは下らないことで頭と神経を使って大変のようです。もっとのんびり暮らせば良いのにと持たざる者が負け惜しみを言いたくなります。
宮崎さんが、そんな香港の様相を報告してくれています。それにしても、マネーゲームは大変のようです。
「宮崎正弘の国際情勢解題」より 令和2年(2020)6月6日(土曜日) 通巻第6525号
香港ドル防衛に通貨当局(HKMA)が年初来、8回介入
エクソダス対応から株高対策へ。対米ドルレート上限の7・75を守れ
香港ドルは特殊な通貨である。米ドルペッグ制だ。
発券銀行は、その額面をドルで通貨当局に預託する。だから世界一安全な通貨であり、この交換レートがあるからこそ、人民元 はドルに交換できる。
逆に言えば、香港の為替市場が崩落したら、人民元をドルに交換することはたいそう難しくなる。中国共産党は表面の強気な対 米姿勢とは裏腹に、個人資産防衛となると、まるで言行不一致の行動をとる。
昨年11月27日にトランプが「香港民主人権法」に署名した。香港の民主、自由が脅かされたとき、それを担当した中国政治 家の在米資産を凍結し、入国を拒否できるという制裁条項がある。
成立直前から中国共産党の高官の秘書たち、家族らが渡米し、隠し口座の移し替え、解約、名義変更に没頭した。
5月28日、全人代は香港安全条例を採択した。この条例が成立しそうだとの噂が流れたのは全人代直前だった。香港の銀行で は大陸の人々の銀行口座、金融資産が5000億米ドルあると言われる。一部で資金のエクソダスが始まり、スイスとシンガポー ルへ向かった。
年初来、香港通貨当局(HKMA)は八回、市場介入して為替レートを防衛してきた。
現に6月5日には、一日に二回も介入した。二回目の介入だけでも38億8000万HKドルを注ぎ込んだ。年初来の介入合計は 207HKドルと現地紙は伝えている。
ところが目的が変わっていた。エクソダス対応で香港ドルの下落を防ぐ対応から、逆に香港ドルが上限7・75より高くなるこ とを防ぐため、香港ドル買い介入なのである。
なぜ?
京東集団はアリババについで中国第二位の通販グループ。まもなく香港株式市場へ上場する。このため香港ドル需要が活発化し ている。つまり政治相場はまた遠のいた。しょせん、香港人の為替も株式市場も賭場なのである。
なる程、為替も株式も博打ですか。どうか勝手に遊んでください。