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団塊の世代のつぶやき

誇れる日本を取り戻そう

★ウクライナ残留ユダヤ人、モルドバへ「エクソダス」

2022年03月04日 | 国際

 

宮崎さんがウクライナ近隣の訪問記からシリーズで取り上げてくれています。今回はモルドバだそうです。
  と言っても、全く知りませんでした。色んな国があるんですね。もしかしたら大陸というのは一つに纏まるのは人類の性格としして無理があるのでしょうか。
  こうなると、案外太平洋の島嶼国のように国が海で隔てられた島であることが世界平和の前提なのかも。

  それにしても、そんな世界の国を歩き回って情報を目に浮かぶように書いてくれる宮崎さんは本当に貴重な方です。有難うございます。

  「宮崎正弘の国際情勢解題」より   令和四年(2022)2月28日(月曜日) 通巻7236号  <前日発行>

 ウクライナ残留ユダヤ人、モルドバへ「エクソダス」
  オデッサからとなりのモルドバで待機、エルサレムへ帰還

 エルサレムポスト(2月26日)によれば、ウクライナ西南部の港湾都市オデッサから、戦争の難を逃れてモルドバへ避難した 在留ユダヤ人はおよそ一万人(ほかに3万3000人がウクライナ各地に居住)が、近くエルサレムへ帰還する。

 (以下は拙著『日本が全体主義に陥いる日』(ビジネス社)のモルドバの章の縮約。すでに7219号でウクライナ取材記を、 7223号でベラルーシ紀行を再録した。本編は、シリーズ第三弾)。

  ▼モルドバは社会主義計画経済の残滓、繁栄にはまだまだ遠い

 モルドバの首都キシニウ空港に降り立った。
朝日に輝く光景のなか、管制塔のほか高い建物がなく、まるで片田舎の小さな飛行場。日本の米子鬼太郎空港や小松空港よりこじ んまりとしている。通関してロビーに出ても、両替所もない。
 (これって国際空港か?)
 予約していたコスモスホテルへタクシーで向かうが、道路は埃っぽく、街路樹が排ガスや土埃をかぶって黄色く汚れている。
 鉄道駅前は古着や、何に使うのか不明の金具、部品などをこまごまと並べた露店がいくつも店開きしている。ショッピングセン ターの入った近代的ビルの斜め前、二十二階建てのコスモスホテルは、規模とは裏腹に旅客が少なく、照明も薄暗い。

 しかもこのホテルでも両替はできず、ボーイが隣のビルの両替所まで案内してくれた。待たせていたタクシーに現地通貨(ルーマ ニアと同じくレイ)で運賃1500円を支払った。すぐさまシャワーで旅の埃を落として着替えをして、ようやくさっぱりと落ち 着いた。成田からイスタンブール空港で乗り換えた。十八時間の長旅だ。
 キシニウの街並みはソ連時代の計画経済の名残か、碁盤の目のように縦横はきっちりしている。
しかし建物はと言えば旧式のいかめしいビルがあるかと思うと、隣は瀟洒なガラス張りのレストラン、とても計画的には見えな い。カジノが至る所にあって、二十四時間スーパー、怪しげなストリップ劇場、入れ墨専門店が軒を並べ、寒い国にこそ需要があ りそうなマッサージの店は少なく、目抜き通りには女性向けの美容室も見かけない。異常な環境である。

 ▼豪華なレストランもあれば、ホームレスも。町は埃だらけ

 物価が安いので欧米からの観光客は結構多い。そうした人々と行きかうのだが、中国人、韓国人には滅多に出会わない。日本人 とは全く会わない。それなのにあちこちに寿司バアがある。世界的に健康食として寿司が静かなブームになっている。

 一日目の夕食としてグルジア料理でもと目抜き通りから一歩奥まった、中庭が緑に囲まれている店を選んだ。
屋外の席に陣取ったが、隣では着飾った男女が騒々しいパーティ。何かと思えば一歳の子供の誕生日を祝う若夫婦が、友人たちを 招待した一団だった。ロシアの新興財閥のような、結構豊かな階層がモルドバにも出現している。
ほかにビジネス客、常連客とアメリカ人の老夫婦らもめずらしいものを見るような目でこのパーティを眺めていた。旧共産党幹部 らの国営企業民営化のどさくさに紛れての汚職が絶えない。加えて、こうした所得格差も社会的憤懣となってくすぶっているのだ ろう。

 凱旋門の中心に大統領府、市庁舎、議会前にはテント村が出現している。泊まり込みでハンガーストライキを続けるグループを よく見かけた。
 同じ場所で憩う市民もいる。キシニウ市内で一番大きな公園は初代国王シュテファン大公を記念するもので、そういえばモルド バ通貨のデザインはすべてこの国王の肖像をあしらっている。キシニウの目抜き通りの名称もシュテファン・チェル・マレ通り だ。国会ビルを取り囲む緑豊かな公園の、日陰のベンチにはのんびりと憩う老人たち、テキストをひろげる学生に混ざってカップ ルが肩を寄せ合っている。その横をスケボーの少年らが勢いよく走り抜け、近くのアイスクリーム屋に殺到していた。
 こんな光景を眺めていて、戦争の傷跡がほとんど見当たらないことに気が付いた。

 中古市、骨董市などを覗くと旧ソ連時代のバッジ、軍帽、ブレジネフのバッジまで売っている。そのとなりの店にはドナルド・ト ランプのマトリョーシカが客待ち顔で鎮座する。

 ▼EU加盟をロシアが阻止

 モルドバはEU加盟を政治目標にしている。ところがこれを不快とするロシアから、モルドバ産ワインの輸入禁止などの嫌がら せを受け、ガスパイプラインを止めると脅されたりするので、なかなか前進させることができないのである。

 「モルドバ語」と表記される言語も実態はルーマニア語であり、国旗はと言えば中央にオーロックス(牛の原種)が描かれてはい るが、ルーマニアそっくりの青・黄・赤の三色旗。ロシア語族は沿ドニエステルを中心に11%程度。
 モルドバは価値紊乱の真っただ中、文化の多様化という混乱の様相を見せていた。

 モルドバ国民の悲願は将来のルーマニアとの合邦にあるが、ロシアは絶対反対である。
 モルドバの西側はルーマニア人の居住する農業地帯で、モルドバワインは世界的に有名、多くのモルドバ国民はルーマニアへの 復帰を望み、言語もルーマニア語を話す。
 モルドバはながらくルーマニアと一緒で元の名前は「ベッサラビア」。2018年にはベッサラビア誕生百周年の記念行事も予 定されている。

 第一次世界大戦でベッサラビアはソ連により分割され、モルドバはソ連圏に編入された。
 まさにその東西冷戦の残滓がまだ居残り、微妙なバランスの中、政治的な綱渡りを演じているのがモルドバ共和国だ。親西側を 鮮明にはしつつも、もう一歩踏み切れないもどかしさ、すぐ東がウクライナだからだ。

 モルドバの安定はウクライナ情勢の帰結に深く連動しており、EUが全面支援には踏み切れない理由付けにもなっている。プー チンは沿ドニステルの武装勢力と、ルーマニア国内のプロ・ロシア政党、ならびにモルドバ国内のロシア工作員を通じて一連の地 下工作を展開するからだ。

 しかしモルドバは経済的に行く詰まり、繁栄にはほど遠く、かつ国内政治はプロ・ロシアの政党がまた力をもっており、国民の 意識調査では西側への傾斜があきらかではあっても、法体系と治安制度から、多数派には達しない。
 そのうえロシアのクリミア併合とウクライナの混乱を目撃すれば、急激な政治的路線変更はロシアの介入をまねくことを極度に 警戒しているからだ。

  やはり、ソ連の夢を未だに捨てられないロシア・プーチンの罪は重いようです。
  共産主義は一度信じたら捨てられない魔力でもあるのでしょうか。それとも、独裁が問題なのか。
  やはり、シラス国という最良の民主主義を世界に広めるべきなのでしょう。権威と権力の分離を取り入れた日本の凄さを世界に広めよう。

 


★「強いものに逆らうな」とツイートとは

2022年03月04日 | 政治の崩壊

 地に落ちた五輪が終わって、心配していたプーチンが動きました。もしかしたら台湾同時侵攻も有り得ると思われていた習皇帝は妙に静かです。

  とは言え、腹の中はやる気満々なのかも。それを表しているのが駐日大阪大使か公使か知りませんがそやつのツイートでしょう。
  「強いものには逆らうな」とは、完全に日本を見下しています。きっと、日本の政治家の殆どは籠絡していると舐めきっているのじゃないでしょうか。
  何とも恥ずかしい。

  妙佛 DEEP MAXさんが嘆いています。


  習皇帝は日本はもう俺のものだと思っているのじゃないでしょうか。

  何といっても、総理以下閣僚は殆どが習皇帝の手下になっているのですから。


★トランプ氏、ウクライナ危機「自分なら簡単に阻止」 バイデン氏を 「ばか」

2022年03月04日 | アメリカ

 トランプさんが今回のウクライナ侵攻は自分なら起きなかった、バイデンはバカとこき下ろしたそうです。
  これは、本当でしょうね。アメリカもとんでもない大統領を捏造したものです。もし、これで世界大戦にでもなったらどう責任を取るのでしょうか。

  トップなんて誰でも良いとも言えますが、ここまで酷いとやはり無理ということが証明されたということでしょう。
  流石に、アメリカも懲りたでしょう。とは言え次の選挙まで待つ余裕があるのか心配です。
  何とか、トランプさんの復活は出来ないものか。やはり、南北戦争か。とは言え、流石に今は無理でしょうね。


★石垣市長に自公推薦の中山氏4選

2022年03月04日 | 沖縄

 心配していた石垣市長に青山さんも応援演説に行かれた中山さんが無事4選を決めたようです。
  この時期に保守分裂なんて恥ずかしい選挙をやる事自体に呆れていましたが、石垣の人達は常識で応えてくれたようです。

 

陸自配備に弾み 石垣市長選現職勝利 玉城氏は痛手 https://t.co/RXkmSJeCq7

  この勢いで知事選を何とか勝ち取って貰いたいところですが、この期に及んで金が目的の保守分裂をやっているようでは安心出来ないですね。
  我那覇さんを立てる意欲もないようなのでまだまだどうなるか分からないのじゃないでしょうか。
  やはり、特亜3国に操られた反日売国左翼・在日共には油断禁物です。


★ウクライナ大統領、露の安保理投票権剥奪訴え 国連事務総長に

2022年03月04日 | 国連

 昨日、ウクライナの大統領の評価が高まっていることをとりあげました。そのゼレンスキー氏が、あの役に立たない金食い虫の国連の事務総長に露の安保理投票権剥奪訴えたそうです。
  これは良いですね。この声が高まり、国連解体が進むことを願いたいものです。  

ウクライナ大統領、露の安保理投票権剥奪訴え 国連事務総長に https://t.co/WyRWhYtCFw

  国連は無くするか、新しい本当に世界に睨みを利かせる組織を真剣に考えるべきじゃないでしょうか。
  そんな甘い考えは無理と言われそうですが、この何の役に立たない組織を放置しておくよりはずっと可能性があるでしょう。


★『子どもたちに 伝えたい美しき日本人たち』の「はじめに」の全文

2022年03月04日 | 誇れる日本

 世界で、日本人程先人を誇れる国は無いのじゃないでしょうか。そんな素晴らしい国に生まれながらそれを教えてもらえなかった我々団塊の世代の情けないこと。
  これこそが教育が如何に大事であるかの証拠でしょう。こんなバカバカしいことを二度とやらないというか、その前に取り戻す必要があります。

  ねずさんの子供達への熱い心が新刊に繋がったのじゃないでしょうか。

  何時ものように全文をリンク元で読んで下さい。

  ねずさんの学ぼう日本より       2022/02/25
 
  『子どもたちに 伝えたい美しき日本人たち』の「はじめに」の全文 

  ・・・略 

 本書は『代表的日本人』と銘打ち、30人の人物をマンガを含めてご紹介しています。
『代表的日本人』というと、内村鑑三(1861‐1930)の名著がすぐに思い浮かびますが、そちらは西郷隆盛、上杉鷹山、 二宮尊徳、中江藤樹、日蓮という五人の歴史上の人物の生き方を通して日本人とは何かを考察した日本人論です。
「武士道」「茶の本」と並んで、三大日本人論の一冊に数えられている、立派な本です。

 本書もタイトルは同じです。
しかしその根底にある思想はまったく異なります。
本書では「偉大な個性が日本人を築いた」とは考えていないのです。
日本の歴史は、いわば庶民の歴史であり、一般の、どこにでもいる普通のおじさんやおばさんが、我が子のために、あるいは村の 人々のために、みんなによろこんでもらうために、そしてみんなが豊かに安心して安全に暮らして行けるようにと、日々、努力を 重ねた結果が、日本という国の持つ国柄の最大の特徴です。
冒頭の言葉を借りれば、日本の歴史にモブキャラはいないのです。

 本書でご紹介する様々な人物は、いわば全員、今の日本を生きている私達日本人と血のつながった人たちです。
つまりみんな親戚であり、ご先祖です。
そのご先祖のひとりひとりの思いが、行動が、いまの私達に影響を与えています。
誰もがより良く生きていこう、我が子のため、我が孫のために、少しでも良い時代を遺していこう。
そう思い続けて生きてくれた蓄積の果てに、私達が生きる現代があります。

 本書が、そういうことをあらためて考える一助となれば、筆者としてこのうえないよろこびです。・・・以下略 



  子供達に伝えられる先人を持つ日本の素晴らしさを思わざるを得ません。そんな国でさえ教育を間違うと一気に劣化するという恐ろしさに一日も早く日本人が気付くことを願うしかない。
  忘れさせられるには余りにも勿体ない歴史です。


★経済安全保障推進法って

2022年03月04日 | ソフトバンク ロッテ イオン パチンコ

 経済安全保障推進法案が25日に閣議決定されたそうです。この内閣は意味が分かっているのでしょうか。
  未だに、LINEを使いソフトバンクにやりたい放題されている国の危機も感じているとは思えない優柔不断内閣にそんなものを作ってもらっても役に立つとは思えない。

経済安保法案、企業は制約や負担増懸念https://t.co/RN0buzc5te

  もしかしたら、日本人にはデジタルとか安全なんて言葉は理解出来ないのじゃないでしょうか。
  特亜3国にここまでいい様に利用されても危機感を感じない平和ボケ日本は未来永劫奴等に利用されるような気がします。
  これを防ぐ唯一の方法は奴等の消滅しか無さそうです。


★日本神話と同化ユダヤ人

2022年03月04日 | 誇れる日本

 田中英道さんがユダヤ人が日本に同化したという説は本当に興味深いものがあります。その上に、高天原は関東だったとくれば興味倍増です。

  その本を宮崎さんが書評で取り上げてくれています。田中さんが根拠とされているユダヤ人の埴輪のあの髪型はミズラという歴とした日本の髪型なのだそうです。
  これも、全く知りませんでした。全く、勉強不足で知らないことばかりです。

  「宮崎正弘の国際情勢解題」より   令和四年(2022)2月26日(土曜日) 通巻7232号

  書評

 『史記』に拠ると、秦始皇帝は呂不偉の愛人(趙姫)を父親が妃として生まれた
呂不偉は「レヴィ」を漢字で当てたユダヤ人だった可能性が高い

  田中英道『日本神話と同化ユダヤ人』(勉誠書房)

 ミズラは日本では古代戦士の象徴とされているが、この髪型はユダヤ人特有のスタイルである。
 『史記』に拠ると、秦始皇帝は呂不偉の愛人だった趙姫を父親が妃として、生まれた。呂不偉は「レヴィ」を漢字で当てた ユダヤ人だった可能性が高い(現代中国語の発音では「ルプウェイ」)。ゆえに秦の始皇帝はユダヤ系ではないかと、いきな りの爆弾発言がある。
始皇帝の命令で、不老不死の薬を求めて日本にやってきた徐福。その上陸地点は和歌山県新宮ほか、数カ所が伝承されてい る。
秦王朝滅亡とともに集団で日本にきた秦氏(「亡命」だったのではないか)。なかでも秦河勝を祀る神社が赤穂にある。ユダ ヤ人が一神教を捨てて、自然を尊ぶ日本に同化したのだと田中氏は唱える。

 田中史観は淡々と粛々と、そして飄々として大胆に独自な歴史解釈を展開される。
 築堤や技術開発などで大いに貢献し、京都の太秦などで集団で暮らした、これらの実証は千葉県などから出土したユダヤ人 を模した大量の埴輪などから分かると、古代史学界に挑戦するのである。
 過日、田中英道氏の傘寿を祝う会が開催され、評者(宮崎)も出席したが、その席で田中氏が、フランス語、スペイン語、 イタリア語、ドイツ語、そして英語で持ち歌を唄われ、改めて、氏が数ヶ国語を操ることを確認した。
 そうした国際感覚と、また教養、学識の基盤として西洋芸術、とりわけ美術史家としての確かな眼が、日本の歴史の解釈に まったく新しい光りをあてる。
氏の歴史推理は躍動的である。

 『出エジプト記』では、モーゼに率いられたユダヤ人がイスラエルに渡るが、前後してユダヤ人は世界中に散った。北アフ リカ、南欧、そして東欧からロシアばかりではなかった。トルファンに近いベゼグリク遺蹟やアフガニスタンの遺蹟からはミ ズラをつけた絵画、彫刻、像が見つかっている。古くは3500年前のものが含まれている。

 ミズラはヤマトタケルの想像図から判断できる戦士の髪型であり、あるいは神功皇后が新羅征伐に向かうときに男装し、髪 型をミズラとかえたことなどを連想したが、ユダヤ髪型だったとする説には新鮮な驚きがあった。
 「百済や新羅は、多くのユダヤ系、漢人系の人々が移住している。(中略)文字を使う仕事に秀でたユダヤ系の役割があっ たと考えられる。藤原不比等の下の書記官の仕事は、秦氏の一族だった」(303p)。

 (そういえば近江朝の大友皇子の側近数十は渡来人だった。かれらが外交を誤ろうとしたため大海人皇子(のちの天武天 皇)が伊勢、尾張、美濃などの豪族を組織して『壬申の乱』に勝利したというのは評者の解釈である)。
 渡来人たちは湿地干拓、新田開発、酒造り、校倉つくりなどでも才能を発揮した。
秦氏は別名「波多」と充てたと言われ、これまた伊都国記念館を見学したときに最寄りの駅が波多江(波の高い港)だったこ とを評者は思い出した。
元寇の六百年も前に天智天皇は、筑紫の太宰府の手前に水城を築いたが、その遙か以前、魏志倭人伝に書かれた伊都国は、た しかに存在した。魏使は伊都まできたが、その先は伝聞だけで、卑弥呼も邪馬台国も存在は確認されていない。机上の幻であ るとされる。むしろ天孫降臨は関東にこそ高天原があった、というのが「田中古代史論」の核心である。
大和朝廷は近江に遷都し、白村江の敗戦で後衛の船団を率いた阿倍比羅夫により、およそ3100名の亡命百済人を引き取っ た。かれらは新羅への報復を諦め、やがて日本に帰化した。阿倍比羅夫はのちの阿倍仲麻呂のご先祖、安倍晴明も、この末裔 だ。
それ以前にも日本に多くの帰化人、渡来人がやってきたが、これまでは朝鮮、シナの人たちと認識してきた。この解釈は短絡 的で、たとえば、元寇の兵士にはモンゴル、高麗ばかりか、突厥、満州、女真、吐蕃、ウイグル族、そして青い眼の「外国 人」や黒人が加わっていたことが明らかとなっている。
であるとすれば、秦の始皇帝の前後から、ユダヤ人も日本に渡来し、同化してきたという論理には説得力がある。

 本書は8編の論考からなるが、まずは縄文土器のなかでも長岡、十日町に集中する火焔土器は水紋土器だとする。ついで物 部氏はニギハヤヒと一緒に天孫降臨した近衛兵が起源とされたが、田中氏は関東の日高見国からやって来た、とする。氏はニ ギハヤヒとニニギノミコトは兄弟だった説に賛同している。
 スサノオがあれほど乱暴だったのは何故か。あの残虐性は大陸的であり、ヤマトタケルの卑怯な方法も大陸的であり、武士 道とは無関係とされるのだが(ちなみに武士道は鎌倉武士からで古代の戦闘方法にモラルはない)、いささか牽強付会な論の 立て方ではないかと思った。日本書紀が雄略天皇を悪く書くのは儒学が日本にはいっての後智恵と思われる。

 さてヤマトタケルは熊襲、出雲タケルを制圧し、凱旋するも束の間、東征から北伐を命じられた。だが、「北伐は巡幸」で あり、常陸風土記などは「倭天皇」と記している。帰路、草薙の剣をおいて伊吹山の鬼退治にでかけて敗北し、能褒野でなく なり白鳥となった。

 こうして征服・遠征譚や白鳥説は日本の伝統かも知れないが、遠く西欧の神話に類似し、また物語の比喩が似ていると田中 氏は精密な検証を展開されている。
 猿田彦はいかなる神か、ヤマトタケルは誰であったか、そして最終章で始皇帝、徐福、弓月の君、秦河勝の論考と続く。知 的昂奮をいざなう書。
            △□○◎◇  
(註 呂不偉の「偉」はにんべんをとる)

  それにしても、日本の歴史は本当に面白いですね。まさに、世界の奇跡と言っても良いのじゃないでしょうか。
  その素晴らしい歴史も悪意による嘘の教育でたった70年で消え去ろうとしているのは何とも恐ろしい。

何としても、再生したい!