今回のウクライナ戦争では通信や傍聴機器の進歩が表に出て来たようです。イーロン・マスクが独自の機器をウクライナに提供したのもロシアの苦戦に繋がったようです。
今度は、イスラエルの傍聴機器ペガサスなるものを宮崎さんが取り上げてくれています。
こんなものも開発されているんですね。もう情報を守るなんて不可能な時代になっているのでしょうか。何とも恐ろしい時代です。
「宮崎正弘の国際情勢解題」より 令和四年(2022) 3月25日(金曜日) 通巻第7271号 <前日発 行>
イスラエル、ウクライナとエストニアへ「ペガサス」の販売を拒否
サウジで暗殺されたジャーナリストの行動追跡に悪用されたスパイ用品
イスラエルの誇る通信傍聴機器「ペガサス」は、インドのモディ首相も愛用し、政敵ガンジー陣営の通話を傍聴したとされる。 サウジ王室に批判的だったジャーナリストのカショギはイスタンブールのサウジ領事館で殺害された。ペガサスを悪用したサウジ が、カショギの携帯電話を盗聴していた。
ペガサスは主権国家の情報機関にしか販売しないとしているが、世界二十数ヶ国が購入しており、とくにジャーナリストの暗殺 に「悪用」されたケースが25件あると、専門機関が報告している。
ペガサスはイスラエルのハイテク企業「NSOグループ」が生産しており、スマホの会話を傍聴できるスグレモノ、戦争をして いるウクライナがのどから手が出るほど欲しい器財で、ゼレンスキー大統領はクネセトで演説した折も「もっと武器を供与して欲 しい」と訴えたばかりである(もっともイスラエルは公式発表とは別行動を取る癖があるから、すでにウクライナは入手した形跡 がある。なぜならロシア軍将校やゼレンスキー大統領暗殺部隊のボスたちの通信が傍受され、返り討ちにあっている)。
エストニアへ供与拒絶は、エストニアの防御態勢に問題があり、ロシアへ流れる可能性を懸念したのではないか。
というのもエストニアは2005年に世界初のスマホ選挙を地方選で実験的に実施し、その後は総選挙にも導入された。スマホ投 票は、世界何処にいても、ID照合があえば投票できるシステムで、この結果、第三党だった「改革党」が第一党の躍りでた。
ネット選挙が意外な事象をともなうこと、まだロシアのハッカー妨害が目立ち、対策が急がれていた。
というものエストニアは人口僅か130万人で山形県なみだが、ロシア人の人口比が25%もあり、ウクライナとの通信などで 迂闊な行動を取ると、妨害されるのだ。
ロシア軍将校の死やゼレンスキー大統領暗殺の防御にも関係しているのも驚きです。何だか折角のネットの時代もおかしな方に進んでいるような。嫌ですね。