今回のChina肺炎で一番の打撃を受けたのは航空機業界もその一つでしょう。LCCが安い運賃で殴り込んで来て混乱もあったようですが、まさか、ウィルスにここまで徹底的にやられるとは誰も想像出来なかったのじゃないでしょうか。
航空機業界は以前の活気を取り戻す日は来るのでしょうか。
宮崎さんがそんな業界の情報を取り上げてくれています。それにしても、凄まじい惨状です。こんな状況でも生き残るところがあるのが不思議です。それだけ利益が大きかったのでしょうか。
まるで、何時までも崩壊しないChinaのようです。
「宮崎正弘の国際情勢解題」より 令和2年(2020)10月23日(金曜日) 通巻第6678号 <前日発行>
航空機業界にコロナ悪魔がやってきた
国内大手48社で旅客は86・3%減、海外が98・3減少という惨状
現在、世界各地へ向かう国際線は、一割程度が回復しているが、たとえば一日30便以上あったソウル行きは二便ていど。米国 も主要都市へ再開しているが、共同運航便が優先されていて、乗客は殆どいないため赤字で飛ばしている。
再開された国際路線は中国各地(大連、瀋陽、青島、北京、上海、成都、広州など)、韓国、台湾、ベトナム、マレーシア、タ イ、インドネシア、ミャンマー、豪、ドバイ、NZ、南米でもメキシコシティ便が再開している。欧州便はブラッセルなど。
欧州では第三次感染が拡大しており、国際線が正常に戻るのは2024年と言われる。
再開便が飛んでいても、客が集まらない最大のネックは到着後二週間隔離されるため、それならテレビ会議で済ませようという のが全世界的な趨勢である。
日本は欧米に次ぐ国際線王国だった。JAL、ANA、そして幾多のLCC。
全日空は、コロナ直後に9000億円の融資枠を確保、JALも同様な対応を取ったが、なにしろ国際線の旅客は98%減だ。
ANAは10月21日には5000億円の損失を発表、この悪魔的な決戦数字はリーマンショック直後の573億円の9倍弱!
ANAは国際線75路線、およそ5000便を800便に減らしたうえ、成田から羽田へ集中的に移行している。回復には数年 を要するだろうと予測される。
JALも第三四半期の赤字も1000億円近い。
米国もデルタ航空は83%の旅客減に遭遇し、5600億円の赤字、アメリカン航空は5800億円。四苦八苦の様子が見て取 れる。欧州勢も深刻な赤字で、アリタリアは国有化された。
もっとも悲惨なのは国内便のない香港である。
キャセイパシフィック航空は系列キャセイドラゴンを含めて8500人のレイオフを発表し、香港経済をゆすがしている。ドラ ゴン航空は閉鎖する。
日本ではインバウンドが消滅したため、国内観光地ならびに旅行代理店、レストラン、運輸会社振興のため「GO TOキャン ペーン」を開始して、一息つけたかにも見えるが国内旅行の現状はといえば、国内大手48社の速報で、旅客は86・3%減、海 外が98・3減少という惨状である。
二階幹事長は日本の観光業界のドンでもある。観光産業の回復に失敗したら責任をとる覚悟があるのか。
今回のChina肺炎で良かったのはあのインバウンドなるおかしなものが消滅したことでしょう。
やはり、観光業界や航空機業界も国内を見直す経営を考える時なのかも。まさに、グローバリズムからローカリズムへです。