明日できること今日はせず
人形作家・写真家 石塚公昭の身辺雑記
 



文豪のポーズが決まらない。頭部が完成しているので、たいした問題ではないのだが。始めは、撮影現場にある岩に腰掛けさせるつもりでいた。リラックスした写真が残されていないということもあり、面白いと思ったのだが、残されていないのは、当時の写真感材の低感度のため、笑いもせず、ジッとしかめっ面なのであるという理由もあるだろうが半面、明治の男である。外でそんな事はしなかったという可能姓もないとはいえない。いや、さすがにそこまで硬いことはなかったろうが、本人のイメージからすると、似合わないとはいえるのである。明治時代の人物の、実際はなかったかもしれない別の面を、私が創作してどうなるのか。それだったらむしろ、これ以上ないほど文豪然とさせて、笑ってみるほうが良いのではないだろうか。 私は女性をほとんど作らないことを、何故だと、たびたび質問を受ける。面倒なので責任が持てないからなどと答えているが、男性の私からすると女性というもの、その存在自体に笑える要素がカケラもない。というのが本当のところである。いくら豊満なバストや尻の盛り上がりを作るのが楽しいとしても、その存在に、必ずいくらかの可笑味、滑稽さを含んだ男性をつくる面白さには換えがたいのである。そして、そんな男の小さい物を作っている男の私は、夜中一人作りながら、ウフフと声もださずに喜んでいるわけである。 やはり文豪は、思いっきり文豪じみた方が可笑しいだろうと判断した。

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