明日できること今日はせず
人形作家・写真家 石塚公昭の身辺雑記
 



K本に顔を出すと常連席にはGさん一人。ごく近所の会社をを定年退職し、プール通いの日々。プール仲間の豆腐屋にアダージョを頼まれてるといわれてるのを忘れていた。私のことをイッチャンと呼ぶ愉快な人である。そこへ73,4歳でますます元気なSさん。髪は真っ黒である。趣味でこのあたりの小学校の花の世話などしていて忙しい。今日は私のために、目の前の小学校で育てたピーマンを持ってきてくれた。昨年いただき、初めて食べる美味しさに1年楽しみにしていた。さっそく店で切ってもらって塩でいただく。採って数分しか経っておらず、さすがに違う。Sさんは目を瞑って訊いていると、隣に坂上二郎が座っているとしか思えないが、左右年寄りに挟まれ、馬鹿々しい話をああだこうだいってるのが楽しい。女将さんが店の前に生えてる枇杷を焼酎に漬けたのをなめさせてもらう。Sさんが持ってきた月下美人を漬けたものも以前あったが、妙にグロテスクで、なにかに良いとSさんはいうが、名前が良いだけじゃないの? 想えば、鉄骨運びのバイトをやっていた10代の頃から、溶接工のオヤジ等と飲んだり、田舎で焼き物をやってる頃は、田んぼに落ちたのを周りの職人さんに助けられたりしながら飲むのは楽しかった。元気な年寄りと飲んでいるのが、私は最も好きかもしれない。2人の背中を見送った後、他の常連の顔を見ぬまま、残りのピーマンをもらって帰る。

01/07~06/10の雑記
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