明日できること今日はせず
人形作家・写真家 石塚公昭の身辺雑記
 

一日  


昼過ぎに西麻布の『SPORTS TRAIN』に行き、油井昌由樹さんにお会いする。油井さんには何度も会っているが、ここに来たのは私が15歳の時以来である。何年ぶりか、計算する気にもなれない。 輸入アウトドア用品のパイオニアの店で、当時、まだ何処にも売っていなかったバンダナを買いに来たのであった。見たことが無い道具が所狭しと置いてあった。友人と金属探知機などで遊んでいると、油井さんが「君達にUFOの写真見せてやるよ」。すぐ種明かしをしてくれたが、コールマンの部品を吊るして撮影したものだった。 10年後、私は黒人の人形を作っていて、日本TVの『美の世界』という番組に出ることになった。油井さんが司会をしていた。会ったら10年前の話をしようと思っていたら、黒澤明の『影武者』のオーディションに受かってしまい、徳川家康になってしまった。司会は榎本了一さんとマリアンに変っていた。(音声はスゥインギン・バッパーズの吾妻光良さんであった)結局、改めてちゃんと会ったのは、そのまた約20年後である。今日は、たまたま『一個人』黒澤明生誕100周年特集を読んだばかりであったが、黒沢映画に4本出演し、晩年は公私共に付き合いのあった黒澤明の話を、油井さん制作のインタビューのDVDを観ながら伺った。黒澤がセットにこだわったのは有名だが、本物の中にいると、自然に演技が出来るものだそうで 一回も怒られず、すべてワンテイクだったそうである。色々興味深い話が伺え楽しい時間であった。  こう思うと、私も随分長いこと粘土をこねてきたものである。いつか榎本了一さんにお会いすることあれば、今は寺山修司作ってます、とでもいうのであろう。

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