明日できること今日はせず
人形作家・写真家 石塚公昭の身辺雑記
 



撮影二回目。本日も晴天。撮影ポイントは決めてある。直射光は人物像の立体感や表情に影響を及ぼし、なにより素材感がでてしまうので避けるのだが、今回は日除けがあるので、背景は直射光でも、人物には当たらないで済む。しかし前回、人物の上には陽を遮るものがある、という状況説明が画面内に不足していたので、人物が背景から浮いてしまうおそれがあった。人間の目というものは、そういう違和感には敏感なものである。そこを逆手に取れば、判っていても、人形が実物大に見える。 前回、もう少し後から撮れたら、と思わなくもなかったが、地面を工事していて、パイロンや柵があり、ヒキが撮れなかった。そこには警官の詰め所があり、立っている警官にどいてもらって横に立てばなんとかなりそうである。観光客に声をかける愛想のよい警官なので、頼んで、そこから撮らせてもらった。日本人だけでなく、外人観光客が多い場所なので、特に愛想の良いのが選ばれているに違いない。やはり連休中は人の行き来が尋常ではない。帰り際挨拶すると、「今日は人が多いからね。プロじゃないんでしょ?」ようするに仕事なら許可が要るということである。例によってあらぬ方向にカメラを向け、サンダル履きでプロの気配を消した、せっかくの変装?なのに。と思えば、“まさかあんたプロじゃないよな”という意味であった。帰宅後、編集長に申請をお願いする。これで後は背景を準備しながら、それに合わせた人物の身体を作る。今回は人物の表現には特に工夫を凝らさず、あえて有名なイメージに殉じるつもりである。しかし同じイメージでも、立っている場所によって、本人の考えていることも違って見えたら面白いかもしれない。

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