明日できること今日はせず
人形作家・写真家 石塚公昭の身辺雑記
 



木場のヨーカドーで話題の『パシフィック・リム』を観る。席を決める時、3Dの仕組みが判らないが、真ん中の方が正確に立体感が出るような気がして、できるだけ真ん中を取る。そう思う人が多いのか、両サイドはガラガラであった。 巨大な生物が猛スピードで動く昨今の傾向はどうなんだろう、と思っているが、観ると、いったいどうやって撮っているのか、まったく判らず迫力はある。ただカメラの視点がどうも今1つである。ひいた画がまったくといって良いほど出てこない。以前、浅草の花火を真近で観られるところに知り合いがいたので毎年、首が痛くなるような距離で観ていたが、迫力はあるが花火の形が判らなかった。あんな感じ。素早い動きも手伝って、結局怪獣のフォルムを掴めずじまいであった。怪獣の醜さは良かったが、そのあたりを舐めるようにみせて欲しかった。私が始めて観た怪獣映画は『キングコング対ゴジラ』で新聞のチラシを見て父にせがんで観に行ったが、キングコングの大顔面のアップでギブアップ。しばらく夢にでてきたが、その初体験のイメージが大きいのかもしれない。 3Dは『アバター』以来で、あの時は飛んでくる木っ端を思わず避けてしまったが、当然遠景になるほど効果は薄く、たまに眼鏡をはずすと、戦闘シーンなどこちらの方がかえって良い感じである。近景は立体感が強調されるが、人間が話し合っている場面に立体感は必用ない。 一方の人間のパートはなかなか良かった。きりっとしたウエス・モンゴメリーみたいな司令官はかっこが良いし、芦田愛菜ちゃんには杉村春子を目指してもらいたい。監督は怪獣オタクらしいが、間違いなく私より年下である。怪獣はウルトラセブンまで、仮面ライダーの第一回を観てもう駄目だ、と卒業した私にはもの足りなかった。

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