明日できること今日はせず
人形作家・写真家 石塚公昭の身辺雑記
 



明け方、一旦PCを閉じた。最近このまま起きていて『あまちゃんを』観るか、一度寝て再放送を観るか考えるのだが、ここで一仕事浮かぶ。今回ついに作中に登場しなかった著者の泉鏡花が最後のページにいる。もちろん実写ではなく私が作ったものだが、そこに万古焼きの兎を置こうと考えた。鏡花は酉歳生まれで、七つ先のいわゆる向かい干支を集めると出世する、という言い伝えを信じ、様々な兎をコレクションしていた。その中でも実物大の陶器の置物がお気に入りのようである。鏡花の人形に持たそうと、小さな兎を制作していた時、なんの気なしに覗いた富岡八幡の骨董市で鏡花所有の物と同じ兎を見つけた。箱入りで京都の倉から出たという。私もたまたま酉歳である。間違いなく私と縁がある。さっそく入手した。本文中でも一度使ったが、ほとんど文章の地紋の扱いで良く判らない。そこで最後のページの鏡花の目の前に置こうと改めて撮影した。この兎、可愛らしいがとんだ食わせ物で、言い伝えがたんなる迷信なことを私は知っている。せめてこんなところでもう一働きしなさい。編集者に送る。 入稿来、私の画像データをじっくり点検している編集者に、私はただ切り貼りしているだけだ、ということがバレてしまった。確かにコンピューターグラフィックスというにはあまりに単純原始的なやり方だと自分でも思うのだが。それにしても切り貼りしてるだけなんですね、と笑うが、これはどんな場面か充分考え、光線状態を吟味して撮影しているので、ただ切り貼りでも画になるんですね。ということまでは何故かいわない。

過去の雑記

HOME



コメント ( 0 ) | Trackback ( 0 )