明日できること今日はせず
人形作家・写真家 石塚公昭の身辺雑記
 



三島はビルドアップされた身体を作ったが、目撃談によると元々華奢な骨格の上につけた筋肉は威圧感はなく、バランスも悪かったという。そのせいか着痩せする。よってすぐ裸になりたがる。でかい石原慎太郎との対談でも裸になって比べよう。とムキになっている。 三島が気にしていたのは脚の細さである。それを指摘されると顔色が変わった。(蟹を見ても変わった)自衛隊の体験入隊でも腕立てや懸垂は若い隊員にひけを取らないが、走りとなるとついていけない。そのせいであろう。撮影した写真家は上半身だけを撮ったり、下からあおって脚の細さをカバーしているように見える。その点週刊誌の取材写真だとそこまでは考慮されていないのであからさまである。 本人がミスター腹筋だ、と自負していた腹筋は、切腹に憧れた三島であるから特にこだわりがあるのだろう。せっかく作ったが、サラシを巻いて隠してしまった。サラシは昔は下着代わりだったそうだし、浴衣でもないかぎり裸の上に着物はおかしいだろう。特に出入りの時は刀から腹部を守る意味合いもあったようである。本当の事はどうでも良い、という私ではあるがイメージが高倉健『昭和残侠伝』の唐獅子牡丹であるから“断腸”の思いでサラシを巻いた。

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