明日できること今日はせず
人形作家・写真家 石塚公昭の身辺雑記
 



オイルプリントを写真も素人なのに始めた時は、写真家になって発表するつもりもなく、であるから早くやめなくては、とハラハラしながらやっていた。なんとか画になってきたころ、ただやってみたかっただけだから止めたのだが、結果的に後に個展までやるようになり、頭でなんでやっているのか判らないことでも、やりたくなったらやるべきだ、と思うようになった。本来人間も草や木と同じ自然物。厄介なのは上にくっついている頭である。しかし、そうはいっても突然熱にうかされたようになっても。なにしろ一生は短い。またあんなことがあったら、と思っていたら、その後ないので内心ホッとしている。 数年ごとに、それまで制作して来た作品の中から選んでオイルプリント化ができれば一番良いのだが。完成目前の小津安二郎を前に思う。自分で人物像を制作し、デジタル作業の後にオイルプリント化する。地球上で今こんなことをしているのは私だけだろう。と夜中に一人ほくそ笑む快感は何ものにも換え難い。一人荒野に立つことが肝心で、良い悪いは私には関係がない。 以前、鯨肉をブロックで入手し、知り合いで集まって様々に調理して飲み会をやった。一人ドジョウ汁を持って来た人がいて、今地球上で胃袋に鯨とドジョウが入っているのは我々だけではないか?そんなことでも愉快になる。ちょっと怪しい時は、“この時刻に”なんて付け加えてほくそ笑むのである。

青木画廊サイト。小津安二郎像に写真2点出品だが、小津は出来ていないのでアラン・ポ一を。
開廊55周年記念「眼展2016Part1〜妄想キャバレー〜」銀座青木画廊
2016.11/05(土)~2016.11/18(金)

アートスケープ 展評『深川の人形作家 石塚公昭の世界』


HP 

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