明日できること今日はせず
人形作家・写真家 石塚公昭の身辺雑記
 



それにしても、今まで古典的レンズ、ソフトフォーカスレンズ、写真の見も蓋もなさに抗うため、様々こだわってきたが、昨年より始めた陰影を排除した手法に至り、ついにどんなレンズでも良いという境地?に至った。それは画面上に配す物に、それぞれの陰影の影響を与えないために別々に撮影する必要があり、人形は小さいのに回りに配する物、例えば行灯だったり燭台だったり、縮尺違う物を合成することになり、個性のあるレンズであるとその味のせいで上手くいかない。よってたたのズームレンズで十分である。ここへきて単に陰影を出ないように撮影して配置するだけ。修験者の業のような技術を駆使するでもなく、探しだすのが一仕事のような道具を必要としないところに至ったことがなにより慶賀である。頭に浮かんだイメージ正確に表してくれさえすれば良い。 ところで私の父は神楽坂の叔母の嫁ぎさきの寺に墓を移し眠っている。神楽坂に事務所をお持ちの嵐山光三郎さんとお会いした時、宗派を聞かれ答えられずに恥ずかしい思いをした。従兄弟の住職がこのブログを見ていないことを願うが、そんな私ではあるが、作ることとなると別で、舘山寺、また谷中の全生庵の臨済宗とは何か、検索してみると禅宗という宗派があるわけでないことが判った。“ 禅宗における悟りとは「生きるもの全てが本来持っている本性である仏性に気付く」ことをいう。 仏性というのは「言葉による理解を超えた範囲のことを認知する能力」のことである。” 私はことあるごとに、突き動かされる何者かの存在について意識してきた。できの悪い頭より優秀な、より客観的な何かを感じ、人間も草や樹と同じ自然物、間違うことはないだろうと任せてきた。とくに『寒山拾得』を手掛けようと考えてからは、ブログで同じことを繰り返している。昨日などは寄生虫にコントロールされていたりして、みたいな戯れ事を書いていた。少々神妙になる。
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『石塚公昭 幻想写真展 生き続ける作家たち』 2018年7/25~9/2 リコーイメージングスクエア銀座ギャラリーA.W.Pyoutube
2016年『深川の人形作家 石塚公昭の世界』 youtube



『タウン誌深川』“明日できること今日はせず”連載10回『劇場の永井荷風』

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