明日できること今日はせず
人形作家・写真家 石塚公昭の身辺雑記
 



明後日リコーから預けてあった2メートル超のプリントが帰ってくる。人形を作る立場からいうと写真は、作ったサイズより拡大ができ、違う面を見られるメリットがある。意外に思うのは、そこまで込めたつもりがないものが見えることである。私の想定外の意志をもっているように見えたり。これは拡大して始めて判った。 以前サンディエゴ写真美術館の館長デボラさんに大きくした方が良いといわれた時は意味が判らなかったのだが。今となったらなんでも拡大して、私自身が制作時には見えていなかったところを知りたくなってしまう。 そこで『寒山拾得図』をただ拡大するのではなく、いっそのこと襖絵にしたらどうだろう。ちょうどうちの襖に穴が開いてるし。 2時に東京駅のステーションギャラリーで、友人二人と待ち合わせ『横山華山展』を観る。今まで聞いたことがなかったが、目的は寒山拾得である。意外なくらいの人の入り。長尺の絵巻、風俗物など興味はない。私の欲目を差し引いたとしても、大きさ、墨の濃淡のバランス、すべてにおいて『寒山拾得図』が一番良かった。 その後地元のサイゼリヤへ。最近安いといわれる飲み屋が乱立しているが、村を出る頃に酔いが醒める村醒め、どころか飲みながら醒めていく飲み醒めばかりでどうしようもない。その点こちらはワインを何の屈託もなくもなくがぶ飲みができる。ネットで、日本在住だというラッキー・ルチアーノの末裔が褒めているインタビューを読んで我が意を得た。 溜まりに溜まった『寒山拾得』に対するアイディア、想いを彼らに思う存分語ることができた。飲み仲間であるトラックドライバーの連中がトラック、物流の話ばかりでうんざりし、興味のない話を聞かされ続ける気分を味わえ、とばかりに、嫌味を込めて寒山拾得について話したところ、欠片も覚えていないことが判明し、腹の中で胸ぐら掴んで往復ビンタをしたばかりであった。
新HP
旧HP
『石塚公昭 幻想写真展 生き続ける作家たち』 2018年7/25~9/2 リコーイメージングスクエア銀座ギャラリーA.W.Pyoutube
2016年『深川の人形作家 石塚公昭の世界』 youtube



『タウン誌深川』“明日できること今日はせず”連載10回『劇場の永井荷風』


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