明日できること今日はせず
人形作家・写真家 石塚公昭の身辺雑記
 

一日  


来月、いよいよ背景に使う物を撮影する予定である。これは小さな人形の背景にしてこそ面白いことになるが、人間の背景に使っても当然画になる。かなり広大な場所なので、1日で撮影というのは無理である。何度も撮影することになるだろう。背景パーツとして今後の作品のイメージに大いに貢献することになるだろう。 それにしても、何故こういうアイデアは、何も考えていない時に限って降ってくるのか。今回のアイデアは母の電話で起こされ、携帯はどこだ、と頭を起こしている途中に浮かんだし、夢も観ていなかったから、まさに何も考えていない時であった。 よく思うのだが、私の場合、物心ついた時にはひな型のような物はすでにあり、どうも回りと成長の過程が違っているな、とは思っていたが、さすが我が母はそれに気がついていて、怖れ、学校に相談しては妙な施設に連れて行かれたものである。狭い下町の中で、とにかく大人しく、常識的に生きることを望んだ。おかげで回りに合わせ知ったかぶりを続け、空気を読み、その反面、好きなことを続けていることに対する罪悪感が拭えず、世間が休日である時は平日より清々しく制作できるのはそのためであろう。正月、連休、十代の頃から何か作っていた。だがしかし、生まれつきの物というのは私にはなんの責任もない。後は中からのわいて来た物を逃がさないようにしているだけで良い。釈然としないのは、何も考えていない時にしかアイデアが浮かばないことである。頭を使わないようにするにはどうすれば良いか。座禅でもすれば良いのか?寒山拾得を手掛けようという時に、妙なオチがついた。
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『石塚公昭 幻想写真展 生き続ける作家たち』 2018年7/25~9/2 リコーイメージングスクエア銀座ギャラリーA.W.Pyoutube
2016年『深川の人形作家 石塚公昭の世界』 youtube



『タウン誌深川』“明日できること今日はせず”連載11回『猛虎図』連載

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