明日できること今日はせず
人形作家・写真家 石塚公昭の身辺雑記
 



フリージャーナリストが無事解放された。賛否両論、といっても否がほとんどのようだが。ところで私にはよく理解できないのが死の危険があることを生業にしているのに、結婚して人によっては子供までいることである。一部の登山家、冒険家もそうである。子供の頃の私は何かの調査のため人々のために危険を省みず、偉い人達だと思っていたら、ただ登っているだけだと知り、高所を好まない私は呆れかえった。なぜ連中が変態扱いされないのか私には解らないのである。“娘さんよく聞ーけよ~若後家さんだよー♪”という歌もある。家族が待っているからこそ必ず生きて帰ろうと思うのだ、とある冒険家がいっていたが、そんなことに奥さんや子供を使うなといいたい。 私は二十代で個展を一回やっただけで、命の危険さえないけれでも、人形作家を続ける危険についてすぐ判った。これは人を巻き込んではならない。もっとも結婚の何が目出度いのかさっぱり判らないのだが。私はみんながしているから私も、というところは皆無なのである。 小学生の時少年飛行兵の本を読んでいて、父の歳なら志願すれば戦争に行けたと知り、間髪いれず父の前に仁王立ちになり「何で戦争行かなかったんだよ!」。父はその時、何かのバチが当たったと思ったに違いないが、すっかり忘れていると思っていたら、後年親戚の前でバラされ、覚えてないよそんなこと、といいながら、私が子供を持ったならば、もっと酷いバチが当たるだろう。そう思った。私は運転免許を持っていないが、おかげで人を車で轢き殺す可能性はない。そういう意味では、独身者である私は、父のようなバチが当たる心配はないのである。
旧HP
『石塚公昭 幻想写真展 生き続ける作家たち』 2018年7/25~9/2 リコーイメージングスクエア銀座ギャラリーA.W.Pyoutube
2016年『深川の人形作家 石塚公昭の世界』 youtube



『タウン誌深川』“明日できること今日はせず”連載11回『猛虎図』


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