明日できること今日はせず
人形作家・写真家 石塚公昭の身辺雑記
 



ついに夢の中で豊干を作り始めてしまった。豊干から始め、それをその後、寒山と拾得の基準にしようと考えていたのでその通りなのだが、常に頭部を完成してから始めるのに、夢の中のそれは、虎の上に乗っているのに首は霞がかかったようになっていて見えない。というより無いようである。その後確か話が続いたのだが、夢のことゆえ忘れてしまった。 『タウン誌深川』編集部に、次号用『猛虎図』を届ける。今回に限り複写をお願いした。もともと豊干が乗る虎のために、猫を虎にすることを思いつき、我慢できずに6月の青木画廊ピクトリアリズム展Ⅲに出品してしまった。グループ展に参加して、私の作品が違和感があるのはしかたがないが、自分の個展なのにあまりに唐突な猛虎図は浮いていた。しかし、写真といえど、陰影さえなければどんなモチーフでも扱うことが可能だ、ということがタコに絡まれた葛飾北斎と猛虎図により証明された。ここから隠居後のモチーフだったはずの『寒山拾得』に急速に傾いていった。(太平洋戦争に突入していった、調で)。そんなことで喜んでいるのはお前だけだ、という声が聴こえてくるが、作った本人が喜んでいない物を人様に披露する訳にはいかないのである。 昼間歩いていて、頭の中のイメージに陰影がない、と気付いてコンビニの袋を落としそうになったのはいつだったろうか。外側にレンズを向けず、眉間にレンズを当てる念写が理想だ、といっていた私が、 何も考えずに、頭の中のイメージに、外界の光を当てつづけていた、と気付いてからは早かった。新HP
旧HP
『石塚公昭 幻想写真展 生き続ける作家たち』 2018年7/25~9/2 リコーイメージングスクエア銀座ギャラリーA.W.Pyoutube
2016年『深川の人形作家 石塚公昭の世界』 youtube



『タウン誌深川』“明日できること今日はせず”連載10回『劇場の永井荷風』

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