ようやく屋根裏の構造部分が小屋の上に乗る。下から覗くと屋根裏調である。ただこれは屋根が乗っていないからそう見えるが、屋根が乗ってしまうと結構暗くなるだろう。天窓を作る訳にも行かない。しかしこれはもう私には関係のない事である。 全体を把握しつつ事を進める。これこそが私の苦手とする所である。なので一歩進んで二歩下がって、すでに作った部分を剥がしたり、新たに思い付いて柱を切ってしまったり。しかしこういう試行錯誤は、必ず結果として滲み出るはずだと考えている。そうでなければやっていられない。 制作工程において不都合が起きるのは、昔目指した陶芸作家が向かなかった大きな理由がこれなのだが、全体を把握しつつ事を進める、ということが苦手である。目の前の、手の届く範囲の事しか責任が持てない。 『寒山拾得』は、先日拾得に持たせるホウキの素材を見つけた事で、ここからスタートさせるのも悪くないな、と考えている。水槽の中に入れておいたミニチュアのホウキは、金魚に喰われて柄しか残っていない。