28は日から江東区の芭蕉記念館で9月まで、今のところ室生犀星、泉鏡花、永井荷風の人気を展示するので、ゴソゴソやっていたら、ふげん社で展示はしたが、撮影をしていない葛飾北斎が出てきた。前屈みでタスキ掛け筆を取っている。想定では画室で、『蛸と海女』用の写生をしているところである。つまり女の裸を描いている。傍の桶には蛸が這いずり出ている。結局陰影のない石塚式で頭が一杯であり、途中で止めた。『ゲンセンカンの女』で陰影をできるだけ出さないですすめたが、行燈に半裸の女、ここで陰影出さずにどこで出すのだ、と結局陰影出して決定稿とした。画室の北斎も当然そうなると、止めたのをすっかり忘れていた。私は案外、こう決めたのなら、それで全て通すべき、というところがあったが、自分が作ったご馳走なのに食べるのを身を捩って我慢する、というのは馬鹿だろう、と思う今日このごろである。
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kimiaki ishizuka HP